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1986 年度 実績報告書

造血因子(バースト形成促進因子)の単離法の開発とその性質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560094
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 隆造  京大, 農学部, 助教授 (60077378)

キーワード赤血球分化促進因子 / 精製 / 赤血球分化 / 赤血球前駆細胞 / エリスロポエチン / バースト形成促進因子
研究概要

成熟した血液細胞の供給は、未分化な細胞の分化増殖によって達成される。赤血球系細胞の分化にはバースト形成促進因子(BPA)およびエリスロポエチン(EP)と呼ばれる二つの蛋白性因子が関与する。EPは分化の後期過程に作用する因子であり、その単離や遺伝子のクローニングが完了している。BPAは赤血球分化の初期過程に作用する因子であり、その性状は明らかになっていない。本研究の目的は、BPAを単離し、その作用を明らかにすることであり、以下の成果を得た。
1.BPAを貧血患者尿より10万倍に精製した。
2.単離したEPおよびBPAを使用し、ヒト血流中に存在するBFU-E(BPAの標的細胞)に対する作用を、メチルセルローズ半固型培地中で形成されるコロニーを観察することにより研究した。EPの添加のみでもコロニーが形成されるが、BPAを添加するとコロニーの数を増加させるだけでなく、コロニー形成に必要なEPの量を著しく低下させた。BPAのみの添加ではコロニーは形成されないが、ヘモグロビンを含まない小さなコロニーが形成された。BPAを添加しておくと、EPの添加を6日遅らせてもコロニーの数は減少しなかった。ところがBPAが存在しない場合には、EPを最初に添加しておかないと、BFU-Eはすぐさま死ぬ。すなわちBFU-EにはEPに応答する集団とEPに応答しないより未分化な集団があり、BPAは両集団に作用しうることを示している。
3.BPAはEPのみによって形成されるコロニーよりもより大きなコロニーを形成する。またコロニー当りのヘモグロビンの量を増加させる。この増加はコロニー当りの細胞の増加のみによっては説明することが出来ず、細胞当りのヘモグロビンの増加が寄与していることを証明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Eisuke Tsuda: Agric.Biol.Chem.51. 905-915 (1987)

  • [文献書誌] 佐々木隆造: 細胞工学. 別冊(1). 54-63 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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