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1986 年度 実績報告書

活性酸素による食品成分の酸化とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 61560139
研究機関名古屋大学

研究代表者

川岸 舜朗  名大, 農学部, 助教授 (50023445)

研究分担者 林 建樹  名古屋大学, 農学部, 助手 (90023473)
キーワード活性酸素 / アスコルビン酸-銅イオン系 / 過酸化水素-銅イオン系 / 多糖の解重合 / ヒスチジンの酸化 / オキソヒスチジンの生成
研究概要

1.活性酸素による多糖の酸化的解重合 活性酸素生成系としてアスコルビン酸(AsA)-【Cu^(2+)】、【H_2】【O_2】-【Cu^(2+)】系を用いた。多糖としてペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストランおよびプルランを用い、これに低濃度のAsA-【Cu^(2+)】を作用させると、いずれの多糖も24時間以内に5x【10^3】〜【10^4】(MW)まで低分子化が進行し、特にヒアルロン酸とプルランの解重合が顕著であった。分子量の異なるデキストランを用いて分子量の大きさと解重合の程度を調べると、分子量の増大に伴なって開裂は顕著に起り、【10^4】以上では余り差異は認められなかった。またグルコシド結合の種類との関係を調べるため、同程度の分子量のアミロースとデキストランについてAsA-【Cu^(2+)】および【H_2】【O_2】-【Cu^(2+)】系と反応させると、、いずれの系の場合でも分子にフレキシビリティの大きいα-1、6結合のデキストランの方がα-1、4結合のアミロースより顕著に解重合を起すことが分った。これらの結果から【Cu^(2+)】を分子内に捕捉し易い多糖程、活性酸素の作用を顕著に受けることが明らかであった。
2.タンパク質中ヒスチジン残基に対する活性酸素の作用 牛血清アルブミン(BSA)にAsA-【Cu^(2+)】系を作用させるとアミノ酸残基中トリプトファンとヒスチジンが顕著に分解されるのでBz-HistおよびGly-Gly-Histを用いて調べるとイミダゾール環が選択的に酸化されること、前著では2-oxo-Bz-Histが主生成物であり、加水分解で一部アスパラギン酸を生成することからイミダゾール環のC-2以外の炭素においても酸化が起っていることは明らかであった。
昭和62年度はタンパク質における芳香族および塩基性アミノ酸残基に対する作用ならびに各種ラジカル捕促剤、キレート剤、各種酵素を用いて活性酸素の反応を制御出来るかどうか、また反応ラジカル種の決定、反応機構の解明などについて研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Uchida: Agric.Biol.Chem.50. 2579-2583 (1986)

  • [文献書誌] K.Uchida: Biochem.Biophys.Res.Comm.138. 659-665 (1986)

  • [文献書誌] K.Uchida: Agric.Biol.Chem.51. 601-603 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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