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1986 年度 実績報告書

特異的な酵素モデル系の開発とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560142
研究機関京都大学

研究代表者

小田 順一  京大, 化学研究所, 教授 (50027041)

研究分担者 山本 行男  京都大学, 化学研究所, 助手 (90109059)
馬場 直道  京都大学, 化学研究所, 助手 (50027075)
西岡 孝明  京都大学, 化学研究所, 助教授 (80026559)
キーワード酵素モデル / 環状酸無水物 / 不斉開環反応 / 相間移動触媒 / 不斉エポオキシ化反応 / 補酵素チアミン / ベシクル
研究概要

1.環状酸無水物のメタノールによる不斉開環反応に対し、シンコナアルカロイドが優れた活性を示すことを見い出したので、本年度は非天然型のシンコナアルカロイドの立体異性体(エピ体)の合成を実施した。その結果、5員環無水物に対してはエピ体の方が高い選択性を発現すると云う興味深い事実が認められた。また、触媒の固定化を目的として、シンコナアルカロイド類の高分子化を併せ検討した。それらを直接ポリマーに担持させた系では、触媒活性は極度に低下したが、リンカーを介したポリマーは、モノマー触媒に匹敵する活性を示し、このことは実用的価値ある触媒への展開を可能にするものである。
2.光学活性な新規相間移動触媒の開発とそれを用いる環状エノンの不斉エポオキシ化反応に関しては次のような結果が得られた。2個の(+)-シンコニンを分子内に持つビス型触媒の存在下、9-メチルフルオレニルパーオキシドを用いる酸化反応によって63%の不斉収率で目的とするシクロヘキセノン-2,3-エポキシドを得ることができた。この反応において、上記触媒及び過酸化物前駆体の溶液への酸素ガスの導入によるパーオキシドの生成、続いて基質を添加することによって、不斉エポオキシ化反応を同一触媒、同一容器内で簡便に行える方法を確立した。より選択性の高い触媒が見い出されば、本方法は危険なパーオキシドを単離する必要がないことから実用性が期待される。
3.ミセル、ベシクル系での補酵素チアミンのモデル反応に関しては、長鎖アルキル側鎖を持つチアゾリウム塩が二本の長鎖アルキル基を持つ4級アンモニウム塩とともにベシクルを形成することが電子顕微鏡及びゲル3過法などにより確認できた。しかしながら、ベシクル系はミセル系とは全く異なる挙動を示し、アシロイン縮合の反応場としては著しく活性の低いものであった。ベシクルの改善が今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 馬場直道,小田順一,川口守: Agric.Biol.Chem.50. 3113-3117 (1986)

  • [文献書誌] 平竹潤,稲垣穣,山本行男,小田順一: J.Chem.Soc.,Perkin【I】. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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