1.東京農工大学の多摩試験地内の東の沢と南の沢の沢左支沢の2ケ所のO次谷にトレンチを設けた。 東の沢での流出成分の測定値を、各断面からの総流出量と総降水量とを本年度購入したパーソナルコンピューターによって解析処理した。その結果表面流出量は総降水量の増加に伴い概ね増加する傾向にあるが、中間流出量の地下流出量ともに総降水量がおおよそ100mmを境にして、それ以上の降水量があっても、流出量の増加が見られなかった。このことから、それらの断面からの排水の能力に、ある一定の限界があることが分った。 南の沢左支沢での観測の内、1986年12月18日の58.5mmの降雨を解析したところ、1つのパイプからの流出量が総流出量の52%を占め、パイプフローの重要性が改めて確認された。 2.多摩丘陵の下総台地での各々2ケ所のO次谷における簡易貫入試験・土壌腐植含有量試験・野外定水位透水試験を実施したところ、貫入抵抗値NC5以内の土層の深さと透水係数との間に関係があることが分った。即ちNC5以内の土層が厚いと透水係数が高くなり、薄いと低くなることが分った。 3.出羽丘陵・大磯丘陵・生野丘陵において、昭和62年度に実施する試験地の予備調査を行った。
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