研究概要 |
我が国の代表的離島である長崎県の対馬を研究対象にとりあげ、長伐期(スギ,ヒノキ人工林施業)・短伐期(椎茸原木林施業)を併用した林地の有効利用法を明らかにするに必要な資料の収集、およびそのとりまとめを行った。 まず、林地の有効利用のモデルを作製するため、現地調査を行って、モデル作製に適した林地として、長崎県下県郡豊玉町大網・佐保地区を選び、同地区の林相図,地形図を作製した。 次に、森林の大部分を占める広葉樹林の概況をとりまとめた。対馬における広葉樹林は、常緑広葉樹林,落葉広葉樹林,常緑・落葉広葉樹林(混成林)に区分され、その大部分は幼・壮齢林であることを明らかにし、さらに、幼・壮齢林の林分構造について検討し、落葉広葉樹林は、常緑広葉樹林,混成林にくらべ、本数,材積ともに少ない傾向があること,落葉広葉樹林では椎茸原木樹種(コナラ,アベマキ,ノグルミ)が上層木となっているが、混成林では、原木樹種と非原木樹種が上層樹冠層で競合していることを認めた。また、原木樹種を主体とする林分の林分構造から、椎茸原木林の伐期における林分構造は、平均直径9cm,平均樹高9m,ha当り本数2,000〜2,500本であり、伐期齢は、地位上20〜30年,地位中30〜40年であることを明らかにした。 以上のほか、コナラの天然下種更新、ケヤキの生長に関する資料の収集を行うとともに、椎茸原木林の施業技術について検討し、2,3の知見を得た。次年度は、人工林施業についてとりまとめ、それらの結果から、長伐期・短伐期を併用した林地の有効利用法に関する基本的な考えかたを明らかにする予定である。
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