研究課題/領域番号 |
61560173
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
薛 孝夫 九大, 農学部, 助手 (70117141)
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研究分担者 |
矢幡 久 九州大学, 農学部, 助手 (90038290)
村瀬 房之助 九州大学, 農学部, 助手 (70038339)
荒上 和利 九州大学, 農学部, 助手 (00038340)
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キーワード | 樹木群造成 / 分布様式 / 植被率 / 樹形モデル / 樹冠偏倚 |
研究概要 |
この研究は、配植設計や植生管理の技術に反映できる植生データの集積とそれに基く設計管理手法の開発の両面からなる。本年度は、主として現存植生データの収集とファイル化、および育成過程の効率化を図った植栽手法についての基礎的検討を行なった。 現地調査として、シイ・マテバシイなど常緑広葉樹林を対象に24の林分、およびシデ類を中心とする落葉広葉樹林を対象に9林分で分布様式や林分構造などを調べ、特に林形や樹形に関するデータをファイル化した。また、調査データの処理手法についての検討をすすめ、配植設計や林相変化シミュレーションへの応用を前提とした解析法に関する多くの知見を得た。 林分構造の記録は、樹冠の平面形,林相断面形も含めてすべて数値データとしてファイル化しているが、これを用いて樹冠偏倚をベクトルとして数量的に表わすことが可能となり、樹種や立地、および樹木の位置関係による林形変化の特性を解析する上で一つの視点となることがわかった。また植被率を自動的に計算できることになり、植物社会学的な調査手法との連係がよくなった。特に林分全体を任意の高さで切った水平断面の植被率に着目することにより、林分の垂直的な構造を把えやすくなった。 樹林造成への応用として、現存植生における分布様式を再現する手法を検討し、コンピュータのランダム関数を用いてパラメータの指定に応じて自由に集中分布から均等分布までの位置関係を得ることが可能となった。また、成長過程における樹形変化予測のためのモデルとして、樹冠部の横姿の輪郭線として樹形を表わし、上長成長と水平方向への枝の伸長量とによる成長シミュレーションについて検討し、配植設計への応用の見とおしを得た。
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