研究概要 |
本研究は交付申請書に記した予定項目を中心にほぼ完了した。以下に項目毎に詳述する。 1.サスペンション流動装置の改造:一定の清水圧下でノズルの孔径を制御することにより流速を可変にし、各種の流動を作りだすことが可能となり、層流から乱流まで幅広いレイノルズ数の流れのもとでのパルプおよび填料のフロックの形成および破壊の挙動の観察が可能となった。 2.サスペンション観察のための光学系の改良:コヒーレント光であるHe-Neレーザーを光源として用いることによりパルプ表面のフィブリル化などの微少な因子の観察が可能となり、デジタル画像処理のデータと合わせて従来よりもフロックの高精度の評価が可能となった。 3.動画像解析のためのデジタル画像データベースの構築:高速CPU(V30および80286)を登載したパソコン(PC98VX2)の導入により画像処理が高速化され、動画像のリアルタイムのデジタル化が可能となった。またカラー熱転写プリンターおよびアナログRGBディスプレーにより動画像処理の可視化と定量的評価が可能となった。なお現在フロッピーに集積中の画像データは大容量の外部記憶装置であるCD-ROMに徐々に移植し画像データベースを構築する予定である。 4.インターフェースおよびソフトウェアの設計と開発:パソコン,画像処理装置,光学系,流動システムの間のインターフェースを設計・開発を行い、流動観察・評価システム全体としての操作性を向上させた。 5.高速流動下での高濃度サスペンションのフロック化挙動の解析:ストロボの高速瞬間発光と画像の取り込みのタイミングを同期させることにより、高速流動中のフロック形成および破壊の瞬間画像の撮像が可能となった。
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