研究課題/領域番号 |
61560208
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
小池 篤 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017027)
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研究分担者 |
松田 皎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90026485)
町井 紀之 東京水産大学, 水産学部, 講師 (60181666)
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キーワード | 刺網 / 一枚網 / 二枚網 / 三枚網 / 網選択性 / コノシロ / ニジマス / 絶対選択率 / 相対選択率 / 漁獲効率 / ラテン方格法 / 照度 |
研究概要 |
二枚網の漁獲の特性を明らかにするため、東京湾で漁獲試験を行い、二枚網の大目網、小目網の大小、小目網のたるみを変え、一枚網および三枚網の漁獲と比較した。漁獲試験は1988年10月から11月にかけて8回実施したが、結果の比較には1986年および1987年度資料を用いた。その結果、コノシロは二枚網に最もよく羅り、マハゼは最も少なかった。コノシロが他の一枚網、三枚網に比べて二枚網に多く漁獲されたのは以下の理由に依るものと考えられた。すなわち、コノシロは海底より少し上層を遊泳しているが、三枚網は二枚網より流れによる網高さの低下の影響を受け易いため、二枚網の漁獲の確率は三枚網より高くなる。二枚網の大目網側から流れを受けた場合、小目網は大きな袋状となり漁獲の性能が高くなる。二枚網は一枚網に比べて絡みによる漁獲が多く、したがって二枚網の脱落率が一枚網に比べて小さい。二枚網、三枚網は小目網の目合、たるみが漁獲に影響する。二枚網、三枚網の小目網別、たるみ別、一枚網の網目別のコノシロの選択曲線は、一、二、三枚網の順に選択作用が鈍くなる傾向を示した。一方刺網の相対選択率、絶対選択率、漁獲効率の関係を明らかにする目的から、1988年7月本学大泉実験場において、ニジマスの体長組成の明らかな母集団を用いて、一枚、二枚網の漁獲試験を行った。実験はラテン方格法に基づいて計画した。実験魚は毎日300尾新しいものを用意し、漁獲された尾数だけ各回毎に補充した。8日間で朝夕4回づつ合計64回操業を行い、また1回の浸漬時間を10分とした。分散分析の結果、漁獲の日及び朝夕による差は認められなかったが、目合及び時刻(又は照度)による差は大きいことが知られた。漁獲資料より、一枚網および二枚網に対する絶対選択性曲線が得られた。さらに、絶対選択率は漁獲効率と相対選択率ととの積とみなして、一枚網と二枚網の漁獲効率を求め、10分間の漁獲効率は一枚網の方が高い値を示した。
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