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1986 年度 実績報告書

顔面味覚第一次中枢の神経解剖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560219
研究機関鹿児島大学

研究代表者

清原 貞夫  鹿大, 教養部, 助教授 (50117496)

研究分担者 山下 智  鹿児島大学, 教養部, 教授 (30041784)
キーワード味蕾 / 味覚神経 / 顔面葉 / HRP法 / 三叉神経 / 中枢投射
研究概要

第一次味覚中枢である顔面葉の外部形態と一般構造について15種の魚で調べた。顔面葉は延髄に存在し、口唇部や体表に多くの味蕾をもつ魚(chanelcatfish,ゴンズイ,コイ,フナ等)で延髄背面の膨隆組織塊として認められる。外部形態より明瞭な顔面葉が認められない魚でも、組織学的検索により第4脳室に沿って走る感覚柱として顔面葉が認められる。
15種の魚の延髄の連続組織標本を観察した結果、顔面葉は6種の型に分類された。第一の型は、最も原始的なもので第4脳室に沿って走る左右一対の感覚柱として存在するものである(オコゼ,コチ,スズキ,ティラピア,ハモ,ヒラメ)。第二の型は、感覚柱が若干大きくなり部分的ではあるが2つの小葉構造がみられるもの(ナマズ,イワトコナマズ,オオナマズ)。第三の型は、顔面葉が肥大化してその中に3つの小葉構造がみられるもの(チャンネル キャットフィシュ,ギギ)。第四の型は、顔面葉の中に極めて明瞭な5つの小葉構造がみられるもの(ゴンズイ)。第五の型は、顔面葉背面に7〜8本のヒダがありそこに層状構造がみられるもの(ヒメジ,ウミヒゴイ)。第六の型は、左右の顔面葉が正中線付近で融合したもの(コイ,フナ,モツゴ)。これらのことより、魚類の第一次味覚中枢は魚種間で大きく異なり、その中で顔面葉の段階的複雑化があることが指摘できる。小葉構造が増加していく過程は、口唇部に存在する味覚器官である触鬚に対応していると考えられた。そこで5つの小葉構造をもつゴンズイで、4本の触鬚神経の中枢への投射をHRP法を用いて調べた。4つの小葉は各触鬚より別々に投射をうけることがわかった。5つめの小葉は、胴体部や鰭を支配する顔面神経反回根が投射することがわかった。又この研究の過程で、三叉神経が顔面葉に直接投射することが判明し、顔面葉が味覚中枢ばかりでなく触覚中枢としても重要であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Kiyohara: Brain Research. 379. 353-357 (1986)

  • [文献書誌] T.Marui: Chemical senses. 12. (1987)

  • [文献書誌] S.Kiyohara: Olfaction and Taste【IX】. 【IX】. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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