研究概要 |
前年度に引き続き, 由比漁協, 大井川漁協, および蒲原, 焼津の底刺網漁業者に依頼して, 混獲されたラブカの収集と, 6回の調査操業(昭和63年2〜3月)を行った. 昭和62年10月には, 倒壊大学調査実習船による底立延縄調査を1回実施した. 1.昭和624月に5尾, 6月に1尾, 7月に8尾, 10月に2尾, 12月に4尾, 昭和63年2月に1尾, 合計21尾のラブカを入手した. 2.今までに採集された雄119尾, 雌101尾を調査した結果, 雄はT.L110cm, 雌はT.L140cm前後で性成熟すると考えられる. 3.卵巣卵は, 卵の発達に伴いその数を減少し, 卵重量200〜300gで5〜7個排卵すると考えられる. 4.肝臓重量は, 卵巣卵が200g以下の時に最も重くなり, その後, 卵の発達, 排卵, 胎仔の成長に伴い減少した. 5.全長70〜80mmまでの胎仔は卵殻膜に包まれており, その後, 膜は外れた. TL300mm以上の胎仔は, 成長に伴いその重量を急激に増した. 6.胎仔の全長に対する各部位の割合, 相対成長において, 頭部はT.L100〜200mmで, 胴部はT.L200〜300mmで変曲点がみられた. 7.胎仔の骨格はT.L70〜100mmで, 歯は焼く200mm(T.L)で, 鱗は約270mm(T.L)で形成が認められた. 8.昭和62年7月8日, 直径1.65m, 長さ6.1mの加圧水槽にタロウザメT.L100cmを収容し, 飼育実験を行った. 14:45に加圧を開始し, 1.5:04に45気圧に達した. この時, サメは開始時と同様, 肝臓部位を上にし, 反転して水面に浮いていたが, 15:10に水面から水槽中層付近に降下し, この状態が減圧を開始する15:40まで30分間続いた. 29.5気圧まで減圧すると, 再び水面付近へ浮上した.
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