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1986 年度 実績報告書

マボヤ筋膜体に見出された新ベタイン,ハロシニン生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560229
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 勝子  東大, 農学部, その他 (30092381)

キーワードハロシニン / マボヤ / 原索動物 / エキス成分 / 四級アンモニウム塩基 / 筋膜体
研究概要

申請者はすでにマボヤ筋膜体から新ベタイン,ハロシニンを単離し、その化学構造を決定した。本研究はハロシニンの生理的意義を解明する目的で、まず、ハロシニンの定量法を定め、マボヤ筋膜体中のハロシニンの周年変動を調べ、次いでハロシニンの生合成経路を明らかにしようとするもので、これまでの成果の概要は次のとおりである。
1.合成ハロシニンをα,P-ジブロモアセトフェノンによりエステル化した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による定量法を検討した。HPLCは分離用カラムとしてShim-pack FLC-CNを、移動層として5%アセトニトリル含有5m【M!~】【KH_2】【PO_4】(pH【2!~】、【O!~】)を用いて行い、溶出成分を262nmで検出した。ハロシニンのp-ブロモフェナシルエステルはマボヤ筋膜体に多量に存在するグリシンベタインのそれと完全に分離し、他の紫外部吸収物質の影響も受けなかった。また、検量線は0-300nmolの範囲でほぼ直線となった。以上の結果から、本法をマボヤ筋膜体のハロシニンの定量に適用可能と判断した。
2.1の方法を用い、マボヤ筋膜体のハロシニンの周年変動を調べたところ1月の試料には107mg(筋膜体100g中,以下同様)検出されたが3月から減少に向かい、7月に最低の56mgとなった。しかし9月から増加し、翌年1月には前年と同レベルとなった。このように、マボヤ筋膜体のハロシニンは冬期に高く、夏期に減少するという周年変動をすることが明らかとなった。
3.マボヤ筋膜体に【^(14)C】-lysineを注射し、飼育した。経時的に筋膜体から1%ピクリン酸エキスを調製後、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーによりハロシニンを分離し、液体シンチレーションカウンターにより【^(14)C】のハロシニンへの取込みを調べたところ、90時間後の試料に痕跡認められた。しかしTLCなどによる確認はできなかった。今後【^(14)C】-lysine投与後長時間飼育し、詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 渡辺勝子,鴻巣章二: 日本水産学会誌.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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