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1986 年度 実績報告書

白ザケ脳下垂体ホルモン遺伝子の構造解析とこれを用いた育種への応用

研究課題

研究課題/領域番号 61560240
研究機関明治薬科大学

研究代表者

安藤 俊夫  明薬大, 薬学部, 教授 (20012693)

研究分担者 石井 一行  明治薬科大学, 薬剤学科, 助手 (90158741)
杣源 一郎  帝京大学, 生物工学センター, 助教授 (00158990)
キーワードプロオピオメラノコルチン(POMC) / MSH / エンドルフィン(EP) / 進化
研究概要

脳下垂体ホルモンは、動物の行動,性殖等広範な機能調節物質として知られている。その一つであるプロオピオメラノコルチン(POMC)は種々の哺乳動物においてその遺伝子が単離され構造解析が行われている。我々はさきに魚類の一つサケにおいて、脳下垂体よりPOMCのmRNAに対するCDNAクローン-種を単離し構造を解明した。本年はさらに本CDNAクローン#17をプローブとして数種のCDNAクローンを分離しその構造解析を行い次の結果を得た。1)#17CDNAはNPP【II】,α-MSH【II】,β-MSH【II】,β-EP(エンドルフィン)【I】を含むPOMC【I】のmRNAであったが、新たに分離されたCDNAクローン#106,#199はNPP【I】,α-MSH【I】,β-MSH【I】,β-EP【II】を含むPOMC【II】のmRNAに対応するものであった。ペプチド解析の結果その存在が予想されていたPOMC【II】が、事実存在する事をmRNAレベルで明らかにしたことになる。これ等両mRNAはCoding部分で塩基配列に差があるのみならず、3´noncoding部分でPOMC【I】が約900塩基,POMC【II】で160と短く、その構造の類似性から哺乳類の祖先遺伝子であることを示唆した。
2)哺乳類で発見されていたγ-MSHに関しては、サケには存在しない事が見出された。すなわちPOMCのN端のNPPペプチドのγ-MSHに相当するヌクレオチド配列がサケのPOMC【I】,【II】のいずれにおいても欠落していた。これは動物の進化を考える時、貴重な1例となるだろう。すなわち、動物界においてMSH様始祖遺伝子がサケ以前において重複され、魚類から哺乳類にいたる進化のどこかの過程で更にもう一度遺伝子重複が起り、哺乳類におけるγ-MSHとなったと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Soma,G.-I.;Kitahara,N.;Nishizawa,T.;Nanami,H.;Kotake,C.;Okazaki,H.;Andoh,T: Nucleic Acids Research. 12. 8029-8041 (1984)

  • [文献書誌] Nishizawa,T.;Kitahara,N.;Nanami,H.;Hara,N.;Kotake,C.;Okazaki,H.;Andoh,T.;Soma,G.-I: Biochemical Biophysical Research communications. 122. 556-562 (1984)

  • [文献書誌] Soma,G.-I.;Murata,M.;Kitahara,N.;Gatanaga,T.Shibai,H.;Morioka,H.;Andoh,T.: Biochemical and Biophysical Research Communications. 132. 100-109 (1985)

  • [文献書誌] Kitahara,N.;Nishizawa,T.;Iida,K.;Okazaki,H.;Andoh,T.;Soma,G.-I.: Journal of Biological Chemistry. (1987)

  • [文献書誌] Kitahara,N.;Nishizawa,T.;Iida,K.;Okazaki,H.;Andoh,T.;Soma,G.-I.: Nucleic Acids Research.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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