研究課題/領域番号 |
61560260
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
西出 勤 岐阜大学, 農学部, 教授 (80021690)
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研究分担者 |
原 徹夫 岐阜大学, 農学部, 助教授 (50021720)
千家 正照 岐阜大学, 農学部, 講師 (00144006)
足立 忠司 岡山大学, 農学部, 教授 (20012007)
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キーワード | 地表灌漑 / 有効土層 / 灌漑効率 / 地表排水 / 水田転換畑 / シミュレーション / 排水量 |
研究概要 |
田畑転換方式の中でも、水田を畑利用した場合、まず畑地灌漑としての有効土層、土層内の水分消費パターンが露地畑と比べてどのような差異が認められるかについて検討した。始めの有効土層については元の水田耕盤をそのまま残すか、耕盤を破砕し深耕して土層改良を行うかの点土層内の水分消費パターンではどのような消費図型を示すかについて調査した。なお、この土壌水分消費割合の実験結果から、理論上の1回の灌漑水量となる全容易有効水分量(TRAM)を求め、このTRAMの値より、水田転換畑では用水計画上どのようなことが必要になってくるかを検討した。 次に転換畑の灌漑では既存の用・排水路を利用した方が経済的であるので、畝間灌漑が採用されている。したがって、転換畑における畝間灌漑の実態について、とくに灌水量、落水量、灌水開始時期、灌水時間などの水管理状況を調査したその結果、次の事項が明らかになった。 1)水田転換畑は耕盤の存在のため有効土層が浅い範囲に限定され、水分消費パターンが表層消費になる。そのためTRAMの値が小さくなり、間断日数も短かくなり、用水計画上露地畑より灌水回数が多くなることが予想される。 2)転換畑における畝間灌漑の場合、露地畑に比べて灌水量が多く、灌水時間がかなり長くなるので好ましくない。これを解決するためには、畝の形状、畝間の勾配、流量等さまざまな点において調査し、より効率よく灌漑を行えるような条件をみつける必要がある。 3)転換畑で栽培される作物はみずみずしさを保つために比較的高水分状態で灌水することが必要である。実際には目安としてpF2.3〜2.5付近で灌水が開始され、露地畑と比較すると、転換畑の方が早めに灌水されていることがわかった。
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