本研究の目的は、耕地汎用化に関する問題点の究明である。研究調査対象地区は、宮崎県南郷町新開地区である。調査内容は、つぎのとおりである。 1.排水路内の流況、2.排水路内水位と潮位との関係、3.排水路内の粗度係数、4.地下水位の変動状況、5.地下水の流動状態、6.地下水の塩分濃度の変化、7.塩水遡上の状況、8.土壌調査、9.強制排水のシミュレーション、10.流出解析等である。 調査結果は、つぎのとおりである。 1)感潮流域内の排水路内水位変動は、小潮時の方が大潮時よりも大きい。 2)塩水の遡上は、地下水の塩分濃度を高め、作物に対する塩害の1つの原因である。 3)排水路周辺の地下水の塩分濃度は非常に高い。しかし、排水路より遠くなる程小さい。 4)排水路内の粗度係数は、約0.025〜0.055の値を呈する。この値は、堀削水路の粗度係数の基準値とほぼ一致する。 5)地下水の流動は、降雨期、かんがい期、干天期でそれぞれ特徴ある傾向を示す。 6)排水路内に堆積した土砂の排除は、排水路水位を低くし、地区内の地下水位の低下および除塩に効果的である。 7)ポンプによる強制排水のシミュレーションの結果、時間的にポンプ台数を変える場合、ポンプの運転は6台→4台→2台と運転する方が2台→4台→6台とするより水位の制御が良い。
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