研究概要 |
1.層別土塊分布に関する研究 (1)層別採土では, 未耕土では円筒サンプラを, 軟らかな耕土では箱型採土サンプラを使用した. 大量のサンプルを採土するためには表層から円筒サンプラによる採土が便利であるが, 耕土ではまだ問題がある. (2)篩の目開き体系は, 等差数列でも等比数列構わない. 従って, 等比数列を篩の目開き体系に採用する方が少ない篩の数で広い範囲の土塊分布をカバーでき有利である. (3)土塊分布の近似式として, Rosin-Rammler, Gaudin, Shumann, 対数正規分布, ワイブル分布(m=0.5, 1.0, 2.0)について検討した. 水田あるいは畑, 沖積層あるいは洪積層により適合度が異なる結果を得た. ワイブル分布を用いることによりあらゆる場合に対応できることが明らかにされた. (4)円筒採土サンプラによる採土時に生ずる土塊分布の変化について, 球形モデルによるシュミレーションを行い, 発生する誤差の大きさを検討した. (5)円筒サンプラの径を変えて採土し, 土塊分布の差を検討した結果, シュミレーションに対応することが判明した. (6)円筒サンプラの径は, 測定する平均土塊に応じて変えるのが合理的であるが, (7)ロータリ耕うんの場合には, 内径200mm, 深さ50mmごとの層別採土を標準化してよいと思われる. 2.反転性に関する研究 塩化カリを未耕土表面に散布し, 耕うん前後の各層の電気伝導度Ecの変化を測定することにより, 反転性を判別することに成功した. (1)アップカットロータリとダウンカットロータリの反転性の違いを検出し, (2)耕うん方向の前後および左右への土塊の移動を検出できた. (3)従来の埋没法や着色法にくらべて実験が簡単であり, (4)炎色反応を利用したイオンの追跡より電気伝導度法の方が合理的であることを明らかにした. 以上のようにロータリ耕うんの反転性測定に関する方法を確立することができた.
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