研究概要 |
農産物の形状及び品質の判別は、これらの映像パターンを解析することにより可能であることが示された。そこで、種々の農産物の表面温度ならびに形状を撮影し、画像解析装置及びコンピュータを用いて処理し、農産物等の形状及び品質判別の自動処理システムの確立を試みた。 赤外線及びITVカメラからの画像信号を、今年度購入した画像解析装置(ピアス社、La-4)に入力するためのA/Dコンバータ,インターフェイスを開発した。さらに、今年度購入のコンピュータ(NEC,PC9801)と画像解析装置間のインターフェイスも開発し、画像解析のためのシステムを構築した。 里芋の播種機開発には、芽部を検出し、播種時における里芋の姿勢制御を行うことが必要である。このため、構築した画像解析システムを用いて、芽部の検出実験を行った。ITVカメラによる撮影は播種時の条件を考慮して照度、芽部の長さ及び里芋とカメラの距離を変えて行った。里芋の芽部の輝度は塊茎部の輝度よりも高くなり、輝度の高い部分を取り出すことにより、芽部の検出が可能となった。播種時の条件としては、照度は200〔lx〕以上で、芽部の長さが15〔mm〕以上の里芋であれば芽部の検出が可能であった。また、搾乳を自動化するためには、乳頭の判別が必要である。乳房を下方向から影響した赤外線画像では、乳頭の判別は可能であったが、横方向ならびに後方向から撮影した画像では、乳頭の判別はできなかった。 今後、里芋の芽部の検出をフォトダイオード等を用いた安価でしかも簡便な検出装置の開発をてがけるとともに、乳頭の検出においては、横方向と後方向から撮影した画像についても乳頭の判別が可能なソフトを開発する。さらに、他の農産物に対しても適用を試み、自動処理システムの確立をはかっていく計画である。
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