研究概要 |
農産物の形状及び品質の判別は, これらの映像パターンを解析することにより可能であることが示された. そこで種々の農産物の表面温度並びに形状を撮影し, 構築した画像解析システムを用いて形状の特性を明らかにした. 里芋の播種機開発には, 里芋の芽部を検出し播種時における里芋の姿勢制御を行うことが必要である. このために昨年度より種々の長さの芽部を有する里芋に対して播種時の条件を考慮して照明及び里芋とカメラとの距離を変えてITVカメラで撮影し画像解析システムにより解析を行った. 里芋の芽部は塊茎部よりも輝度は高くなり, 芽部と塊茎部の輝度差を利用すると芽部の検出が可能であり, さらに里芋の芽部が左右いずれに存在するかを検出することにより芽部を精度よく判別することが可能であることが示された. この結果を基に, 安価で簡便な検出装置としてフォトダイオードを用いた光量比較回路を作成した. 先ず可視から近赤外領域の光に反応する浜松フォトニクス社製の1133,1133-01,1190,1190-01の4種のフォトダイオードについて角度に対する受光感度特性試験を行った. さらにこれらのフォトダイオードを内臓する検出装置を用いて, 芽部の長さが5〜40〔mm〕の里芋について芽部の判別試験を行った. 照度を500〔Lx〕, 検出装置と里芋の距離を10〔cm〕として実験を行うと前3つのフォトダイオードは芽部の長さが10〔mm〕以上でないと検出できなかったが, 指向性が強くしかも出力電圧が高い1190-01型のフォトダイオードは5〔mm〕の長さの芽部の検出が可能であった. 今後, 照度ならびに距離を変えて実験を行い, 検出精度について検討する. また, ラッキョウの形状特性を画像で解析すると, 重心は3:7の割合で根側に位置し, しかも芽部と根部から一定の位置での最大幅は根部が芽部に比して3倍もの値となった. この結果, ラッキョウの根部を下方にして播種する播種機開発の可能性が示された.
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