研究課題/領域番号 |
61560292
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 助教授 (10183360)
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研究分担者 |
岩根 和夫 岩手大学, 農学部, 助手 (60003795)
渡辺 潔 岩手大学, 農学部, 教授 (90003756)
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キーワード | オーチャードグラス / 採食性 / 消化率 / ミネラル / グラステタニー / 放牧 |
研究概要 |
緬羊の放牧試験を継続した。試験方法で昨年と異なる点は,放牧強度を小さくしたこと、化学分析で酵素法による消化率の推定とミネラル含有率の定量に加えて、牧草を細胞内容物、高消化性細胞壁、低消化性細胞壁に分画し、各画分に含まれるミネラル成分の割合を調べたことである。なお、本年度は最終年次のため、2年間のデータを解析した。 採食性関連形質について統計解析したところ、草種間ではトールフェスク(Tf)が有意に低かったがオーチャードグラス(Or)とペレニアルライグラス(Pe)間には差はなく、Or品種間では有意差は認められないものの値は大きく異なり、採食量ではキタミドリが、採食率ではオカミドリ、緬羊の増体量から推定した草地のTDN生産量はナツミドリが高かった。採食性関連形質を目的変数とした重回帰分析により家畜生産性に関与する形質を求めた結果、採食率、草地のTDN生産量では高い重相関係数が得られなかったが、菜食量ではR=.904となり放牧前草量、草丈、消化率及びMg含有率が説明変数としてとりあげられた。 消化率についてみると、草種間ではPeが高く、Or品種間ではオカミドリが高かった。ミネラル含有率ではNとMgはTf、PとCaはPe、KはOrが高く、Or品種間では特にオカミドリがN、P、Mg、Caで高い値を示した。ミネラル成分によって消化性画分に含まれる割合に明瞭な差がみられ、Kはそのほとんどが細胞内容物に含まれ、Mg及びPでも細胞内容物中に含まれる割合が高かったが、Caは大部分が高消化性細胞壁に含まれていた。低消化性画分中に含まれる割合でOr品種間差が認められたのはMgで、ナツミドリはキタミドリの約2倍にあたる6%が低消化性画分に含まれていた。家畜の栄養障害の一つであるグラステタニーに重大な影響を及ぼすK/(Ca+Mg)当量比を高消化性画分中のミネラル含量から算出すると、牧草全体の当量比に比べ拡大し、オカミドリが最低値を示した。
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