研究課題/領域番号 |
61560300
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
森 誠 静大, 農学部, 助教授 (90143411)
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研究分担者 |
今井 清 日本大学, 農獣医学部, 教授 (90023423)
水野 秀夫 静岡大学, 農学部, 教授 (30022164)
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キーワード | 産卵 / 排卵 / ステロイド / ホルモン / 下垂体 |
研究概要 |
1. 顆粒膜のステロイドホルモン生合成について 産卵周期中のウズラの卵胞から顆粒膜を分離し、コラゲナーゼで短時間処理することにより均一な細胞を単離した。これをクレブスリンガー培養液中でインキュベーションすることによって試験管内でプロゲステロンを産生させることに成功した。このようにして単離した細胞は少なくとも8時間は正常で、産卵を支配している内分泌的要因を解析するのには好都合の材料であると考えられる。この実験系に各種の性腺刺激ホルモンを添加することによってプロゲステロンの産生量を増加させることが可能となったので、各種性腺刺激ホルモンに対する反応性を産卵周期中の時間を追って調べたところ、卵胞が最大になった後極めて短時間に顆粒膜細胞に変化が起こることが分かった。なおこの変化についてはその詳細を現在研究中であり、今後はこれを中心に研究を展開する計画である。 2. 卵胞膜のステロイドホルモン代謝酵素の変動について 卵胞膜ステロイドホルモン代謝酵素、特にプロゲステロンを17αヒドロキシプロゲステロンに代謝する17α水酸化酵素と、その次の段階に働く17-20側鎖切断酵素について酵素速度論的な解析を行った。その結果、17α水酸化酵素のkm値は最大卵胞と第2卵胞で違いはなかったが、初速度は大きく異なることが分かった。17-20側鎖切断酵素についても同様であり初速度にのみ顕著な差が現れていた。この原因を追求するため下垂体除去による酵素活性の変化を測定した。下垂体を除去するとこれらの酵素の活性は変化したが、変化の内容は下垂体を除去する時期によって大きく異なり、これらの酵素に対する性腺刺激ホルモンの役割が産卵周期中に変化することが示唆された。
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