研究課題/領域番号 |
61560302
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内海 恭三 京都大学, 農学部, 助教授 (90033266)
|
研究分担者 |
三宅 正史 京都大学, 農学部, 助手 (60093316)
入谷 明 京都大学, 農学部, 教授 (80026385)
|
キーワード | カリオプラスト / サイトプラスト / 単離割球 / 電気融合 / 再構成胚 / 核置換胚 / 細胞周期 |
研究概要 |
哺乳動物の初期胚の増殖と分化において、核と細胞質との相互関係によって調節されていることが細胞レベルで明らかにされ、分子レベルでも解析されるようになった。本研究ではマウスとラットの胚割球のカリオプラストとサイトプラストの効率的な調整法と、各々のプラストの融合法の開発を進めてきた。両プラストの細胞融合による再構成胚の発生能を調べようとした。HVJの融合法の他に、新しく融合用の電極が開発された。マウス前核期卵子のカリオプラストとサイトプラストとの融合では20μsの矩形波を15V/0.1mmの電圧によって80%の融合率が得られた。このような前核期卵子の核置換胚は個体にまで発生する能力を持つことも知られた。同様の方法によってマウスとラットの相互のカリオプラストがマウスのサイトプラスト中で40%近くまで3細胞期に発育したが、逆にマウスのそれは30%が2細胞期に発育したのみであった。しかし、種間核置換胚の第1分裂の2細胞期へは各々のサイトプラストの種に依存した時間を示し、前者は40〜50時間に、後者は50〜60時間目に分裂した。以上の結果から細胞分裂は胚細胞の細胞質が調整していることが認められた。この細胞分裂に関係して、細胞分裂における核と細胞質の量的関係が調べられた。ラットの2細胞期の単離割球のカリオプラストとサイトプラストを電気融合によって種々のタイプの核と細胞質の比の異なる再構成胚の発生能を調べた。対照胚の核と細胞質の比を1対1とした場合、再構成胚の1:2までのものの胚盤胞への発生能の低下は認められなかったが、それを越えると発達が著しく低下した。このような核と細胞質の均衡は細胞周期の維持に重要な働きを示すことが知られた。
|