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1986 年度 実績報告書

ブドウ球菌の宿主粘膜上皮細胞への付着とその付着因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61560340
研究機関神戸大学

研究代表者

清水 晃  神戸大, 農学部, 助教授 (50031224)

キーワードブドウ球菌 / 細胞付着性 / 付着因子
研究概要

ブドウ球菌は人体や動物の皮膚・粘膜面に常在している。この定着性を決めている菌側因子を解明する目的で、14菌種2亜種の計17株の培養細胞及び宿主粘膜上皮細胞への付着性について研究を行った。その成績を以下に示す。
1.ProteinAを保有する菌株は未保有株に比べて、Vero・MDCK細胞.家兎の鼻・気管・膀胱粘膜上皮細胞によく付着した。このことより、ブドウ球菌の細胞への付着にはProteinAが関与していることが推察された。マウス表皮細胞に対して付着性の高かった菌種は、主にげっ歯類の皮膚に広く分布しているS.sciuriであった。しかし本菌種の鶏表皮細胞への付着性は著しく悪かった。このように、本菌種がマウス表皮細胞に選択的付着能を示したことは極めて興味深く、この知見は、今後ブドウ球菌の皮膚定着現象の解明に寄与するものと考えられる。
2.コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)は近年、人の尿路感染症の起炎菌として注目されている。CNSによる尿路感染の発症機構を解明する目的で、CNSの家兎膀胱粘膜上皮細胞への付着について検討した。その結果、人の尿路感染の起炎菌種のひとつとして注目されているS.epider-midisが膀胱上皮細胞に高い付着性を示す興味ある事実を発見し、家兎の膀胱が人の尿路感染発症機序解析のための感染モデルとして応用できる可能性を示した。本菌種の細胞付着はPH依存性で、pH7を境にしてアルカリ側では、付着性は著明に促進され、酸性側は著しく悪いことが認められた。また本菌は50〜90℃1時間の加熱及びトリプシン処理により、付着能が著しく低下した。このことより、本菌の膀胱粘膜上皮細胞への付着には菌体表面に存在する易熱性のタンパク物質が関与している可能性が示唆された。
昭和62年度においては、各種のブドウ球菌菌種の細胞付着性について、菌体側と宿主側の両面から追究するとともに、CNSの病原因子について検討を行う計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 清水晃: 日本細菌学雑誌. 42. 479-497 (1987)

  • [文献書誌] 清水晃: 日本獣医学雑誌.

  • [文献書誌] 清水晃: 日本獣医学雑誌.

  • [文献書誌] 清水晃: 日本獣医学雑誌.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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