研究概要 |
1)AF64Aの連続投与により、ラット腦内アセチルコリン含量は、大腦皮質海馬、線条体の何れの領域においても有意に減少し、AF64A投与中止後も20日以上、低レベルに保たれた。低下の程度は、海馬で最も顕著であった。 2)腦組織ホモジエネートのコリンアセチルトランスフェラーゼ活性は海馬のみで有意に低下したが、シナプトゾーム画分でみると大腦皮質においても低下が認められた。 3)アセチルCoA含量は大腦皮質でのみ有意に減少していた。総ピルベート・デヒドロゲナーゼ活性にも低下がみられた。 4)AF64A処理24時間後、大腦皮質,海馬において[【^3H】]ニコテン結合量の増加が認められ、この事は、AF64A処理により、腦内コリン作動神経機能が障害をうけたため、所謂アセチルコリン・レセプターのup regulationが起った事を示唆している。 5)末梢臓器(モルモット及びラット小腸)においても、AF64A処理によりコリン作動神経由来の収縮の減退とアセチルコリン含量,放出の減少が認められ、このような標本では、腸壁伸展に基く非アドレナリン性弛緩も消失することから、介在ニューロンとしてコリン作動ニューロンの存在が示唆された。
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