研究概要 |
ウシ白血病は臨床病理学的に流行性性格で発生する成牛型白血病と散発的に発生をみる犢型,胸腺型および皮膚型に分類されている。近年の免疫学の進歩により、それら腫瘍細胞の発生由来については、成牛型ではBリンパ球、散発型ではTリンパ球由来であることが判明しつゝある。本研究は194例のウシ白血病の腫瘍細胞の形状について走査電子顕微鏡による表面構造,電子顕微鏡による微細構造,TおよびBリンパ球に対する免疫学的形質ならびに酵素細胞化学的性状について検討を加え、本病の細胞病理学的分類を試案したものである。その結果、ウシ白血病の各型は次の様に分類された。 Classification of 194 cases of adult and juvenile bovine leukosis according to their cytalogical types 以上、免疫学的および酵素化学的性状を加味した細胞学的分類は、ウシ白血病の各型の特性を反映していると看做される。すなわち成牛型はBリンパ球、その他の型はTリンパ球起源とすることを提示しているとともに、それはまたリンパ球の各分化段階の腫瘍病態を比較的よく表現しているものと看做される。
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