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1988 年度 実績報告書

乳牛の起立不能症の病因と予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560352
研究機関岩手大学

研究代表者

村上 大蔵  岩手大学, 農学部, 教授 (00003731)

研究分担者 佐藤 れえ子  岩手大学, 農学部, 助手 (80142892)
内藤 善久  岩手大学, 農学部, 助教授 (40003785)
キーワードビタミンD / 妊娠ラット / ^<45>Caの動態 / 分娩性低Ca血症
研究概要

本年度の研究は、ビタミンD欠乏が妊娠期のラットのCa動態にいかなる影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的として行われた。
供試ラット(9週齢)は対照群(10匹)、ビタミンD欠乏群(10匹)の2群に分け、それぞれコントロール飼料、低ビタミンD飼料を給与し、妊娠14日目に^<45>Caを経口投与し、妊娠20日目まで糞、尿、血液を経時的に採取した。妊娠20日目には大腿骨および胎子を採取し、それらの^<45>Ca取り込み量を測定した。その結果、次のような成績が得られた。
1.^<45>Ca投与時における体内残留率曲線から得られた。^<45>Caの消化管吸収率は、ビタミンD欠乏群が対照群に比較して、有意に低い値を示した(P<0.01)。このことから、妊娠ラットをビタミンD欠乏状態に置くと、腸管でのCa吸収は低下することが示唆された。
2.糞中への^<45>Ca排泄率は、48時間目と72時間目においてビタミン欠乏群が対照群に比較して有意に低く、未吸収の^<45>Caの排泄遅延が示唆された。
3.^<45>Caの尿中への排泄は、24時間目から144時間目までの間でビタミンD欠乏群が対照群に比較して有意に高い値を示した。
4.^<45>Caの生物学的半減期は、両群間で有意の差が認められなかった。
5.大腿骨1本あたりの^<45>Ca取り込み量は、両群間に有意の差が認められなかった。また大腿骨1本あたりの^<45>Ca取り込み量の吸収量%および残留量%は、ビタミンD欠乏群が対照群に比較して有意に高い値を示した。この結果は、^<45>Ca投与時における┣D145ICa消化管吸収率の差によって説明され得るものであった。
以上より、妊娠ラットのCa代謝は、ビタミンD欠乏に対して一定の適応能を有していることがうかがわれた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 内藤善久: 日獣会誌. 41. 13-16 (1988)

  • [文献書誌] 内藤善久: 東北家畜臨床研報. 11. 1-10 (1988)

  • [文献書誌] 内藤善久: 家畜診療. 308,309. 11-21,19-26 (1989)

  • [文献書誌] 内藤善久: 日獣会誌.

  • [文献書誌] Yoshihisa,NAITO: Jpn.J.Vet.Sci.

  • [文献書誌] 内藤善久: "新乳牛の化学「分娩性起立不能症」" 農文協, 6 (1987)

  • [文献書誌] 内藤善久: "牛病学「産前産後起立不能症」" 近代出版, 9 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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