研究課題/領域番号 |
61570009
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 邦彦 名大, 医学部, 助手 (30001051)
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研究分担者 |
星野 洸 名古屋大学, 医学部, 教授 (40000913)
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キーワード | コラーゲン / 線維形成 / 電子顕微鏡 / 分子間相互作用 / 4Dずれ線状ポリマー / Segment-long-spacing / ネガティブ染色法 / テロペプチド |
研究概要 |
申請者らは先に、コラーゲンin vitro線維形成の第一段階の中間体として有力されている4Dずれ線状ポリマーが、コラーゲンをpH4.5に置いたときに特異的に形成されることを発見した。この条件で生ずる4Dずれ会合体(種々の重合度のものを含む)が生理的条件では天然型のD周期をもつ細線維に組み込まれることを電顕的に確かめた。これは4Dずれ線状ポリマーがin vitro線維形成の中間体であるとの仮説の必要条件を満たしたことになる。更にこれらの会合体を重合度により分離しその役割を明らかにしょうとしたが、トリス・ドデシル硫酸を溶媒系に用いる高速ゲル瀘過による分離調製は成功していない。現在、酢酸を溶媒とする常圧でのゲル瀘過法を検討中である。 コラーゲンをペプシン処理し、非ヘリックス部分(テロペプチド)を持たない分子(アテロコラーゲン)を調製し、アテロコラーゲンがpH4.5に置いても4Dずれ分子間結合を形成しないことを電顕的に確かめた。つまり、4Dずれ結合にはテロペプチドが関与していることが明らかになった。 電顕像と一次構造の関係を検検討中に、segment-long-spacing(SLS、コラーゲン分子の束)のネガティブ染色像が分子上の疎水性アミノ酸の分布に対応することを見つけた。電顕的にコラーゲンの分子間相互作用を調べるうえでネガティブ染色像の横紋の解析が必須であること、また疎水性アミノ酸の分布それ自体がコラーゲン分子間相互作用にとって直接重要であることから、ネガティブ染色像と疎水性アミノ酸の分布との関係を他の型のコラーゲンについても調べその一般性を確かめた。
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