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1986 年度 実績報告書

実験的冠状動脈攣縮期における内皮特殊顆粒の動態

研究課題

研究課題/領域番号 61570022
研究機関産業医科大学

研究代表者

藤本 淳  産業医大, 医学部, 教授 (80080547)

研究分担者 香川 浩彦  産業医科大学, 医学部, 助手 (60169381)
山本 硬治  産業医科大学, 医学部, 助教授 (00080549)
キーワードブタ冠状動脈 / 動脈攣縮 / ヒスタミン / アセチルコリン / 動ひずみ測定機 / 電子顕微鏡
研究概要

各種血管収縮因子投与による実験的冠動脈攣縮期における形態学的変化を観察して以下の結果を得た。
ブタ冠状動脈前室間枝(2〜3mm長)を37℃ Krebs Ringer液中にワイヤーで懸垂し、それを動ひずみ測定機に接続した。リンゲル液中に10%KGI液を添加し、動脈攣縮の誘発を確認したのち、収縮誘発物質としてエルゴノヴィン、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンおよびノルアドレナリンを添加し、これらの薬物による動脈攣縮を動ひずみ測定機による張力変化として記録した。実験の結果、エルゴノヴィンとセロトニンは用いた濃度(【10^(-8)】〜【10^(-3)】M)では動脈攣縮を全く生じなかったのに対し、ヒスタミンとアセチルコリンでは【10^(-3)】M添加で著明な攣縮を記録した。
これらの攣縮期の形態学的変化を観察するため、2分、5分、30分後にリンゲル液をKarnovsky固定液に交換し、電子顕微鏡試料を作成した。また、攣縮期にペルオキシダーゼ(HRP)を灌流した試料も併せて観察した。
ヒスタミン投与によって中膜は対照例に比べて著明な収縮を示し、それに伴う内弾性板の屈曲によって内皮細胞核部の管腔内への突出が認められた。また、内皮細胞間や内皮細胞と内弾性板との間に大小さまざまの空胞が出現し、その数はヒスタミン添加例にとくに多かった。HRPは対照例では内皮細胞間に沈着するのみで、内弾性板や内皮下結合組織への浸潤は殆どみられなかったのに対し、ヒスタミン添加例では細胞間空胞や内弾性板への沈着が著明であった。このような血管壁の形態変化はアセチルコリン添加例では顕著でなく、このことは同薬物による張力変化が僅かに2分程度しか持続しなかったという実験結果にも一致する。以上の結果はヒスタミンによる冠動脈攣縮が血管内膜に著明な損傷を与えることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hirohiko Kagawa;Sunao Fujimoto: Cell and Tissue Research. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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