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1986 年度 実績報告書

脳移植による発生神経生物学的研究-エストロゲンの向神経作用と視床下部ニューロン

研究課題

研究課題/領域番号 61570031
研究機関順天堂大学

研究代表者

新井 康允  順天堂大, 医学部, 教授 (50053004)

研究分担者 宮川 桃子  順天堂大学, 医学部, 助手 (90103845)
西塚 雅子  順天堂大学, 医学部, 講師 (20133332)
松本 明  順天堂大学, 医学部, 講師 (80053263)
キーワード脳移植 / 視束前野 / エストロゲン / 向神経作用 / シナプス形成 / 脳の発達
研究概要

エストロゲンの向神経作用とそれに対するシナプスの可塑的な反応機序を解明する一歩として、新生ラットの視束前野(POA)組織を成体去勢雌ラットの第3脳室内に移植し、POA移植片の成長と移植片内のシナプス形成能に対するエストロゲンの成果を調べた。
新生ラットのPOA又は頭頂葉皮質のスライス(厚さ約1.5mm)を内径0.7mmのステンレステューブで打ち抜き、脳定位固定装置により第3脳室底部に移植した。さらに、移植当日に宿主ラットの皮下にエストラジオールを含むサイラスティックチューブを皮下に植え込んだ群と無処置群を作り、4週間後宿主ラットを殺して、脳室内の移植片の体積と移植片のシナプス数を計測し、エストロゲンの影響を調べた。
移植片の輪郭を10μのパラフィン連続切片で2枚おきに拡大し、トレースし、パソコンに接続した画像解析装置で体積を計算した。その結果、POA移植片の体積はエストロゲン処置群で、無処置群に比べて有意に大きいことが明らかとなった。
移植片のシナプス形成能の測定には、移植片中央部の神経網10,000【μm^2】当りのシナプス数を電子顕微鏡で計測した。その結果、エストロゲン処置群において有意にシナプス数の増加が明らかになった。
これらの結果、エストロゲンがPOA組織のニューロンの軸索や樹状突起の成長ばかりでなく、POAの後シナプス成分の発達を刺激する可能性を示し、これに何らかの成長因子が関連するかどうかについて現在検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akira Matsumoto: Neuroendocrinology. 42. 232-236 (1986)

  • [文献書誌] Akira Matsumoto: Neuroscience Letters. 68. 165-168 (1986)

  • [文献書誌] Satoshi Ito: Proceedings of the Japan Academy. 62B-10. 408-411 (1986)

  • [文献書誌] Satoshi Ito: Brain & Development. 8. 463-468 (1986)

  • [文献書誌] Yasumasa Arai: Current topics in neuroendocrinology. 7. 291-307 (1986)

  • [文献書誌] Yasumasa Arai: Monographs in neural sciences. 12. 64-68 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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