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1988 年度 実績報告書

プラスミノーゲンの高次構造に及ぼす糖鎖の影響

研究課題

研究課題/領域番号 61570041
研究機関浜松医科大学

研究代表者

高田 明和  浜松医科大学, 医学部, 教授 (80092980)

研究分担者 高田 由美子  浜松医科大学, 医学部, 助手 (90092981)
キーワードプラスミノーゲン / フリングル / グルコサミン / ガラクトサミン / 糖鎖 / グリコペプチダーゼ / 蛍光強度 / プラスミノーゲンアクチベータ
研究概要

プラスミノーゲンのクリングルIIIにあるAsp288にはグルコサミンを介して糖鎖がついている。一方クリングルIIIとIVの間に位置するThr345にはガラクトサミンを介して短い糖鎖が附着している。プラスミノーゲンのIはこの両者をもち、プラスミノーゲンIIはThr345の糖鎖のみをもつ。Iは全体の30%、IIは全体の70%を占める。生体にnativeに存在するプラスミノーゲンはN末端にグルタミン酸をもちGlu-plgとよばれている。従って糖鎖を2本もつものはGlu-plgIとよばれ、一本もつものはGlu-plgIIとよばれる。種々の物理化学的、反応速度論的解析によるとGlu-plgIの方がIIより、louseな構造をしていて、アクチベーターによりGlu-plgIの方がIIより早く活性化されることが示された。グリコペプテダーゼAはグルコサミンに結合する糖鎖を切断、除去する。Glu-plgをSOS-PAGEにアプライするとIとIIの2本のバンドが見られる。Glu-plgをグリコペプテダーゼと共に種々の時間インキュベイトすると2本の糖鎖のうち一本が切断、除去されるので、次第にバンドはGlu-plgIIと同じ所に一本出るようになる。この段階でプラスミノーゲンをリジンセファロースにかけて純化するとGlu-plgII'が得られる。同様に純化したGlu-plgIにグリコペプテダーゼを作用させると一本の糖鎖を失い、Glu-plgII'となる。このようにして得られたGlu-plgII'と、nativeのGlu-plgIIを比較するとGlu-plgII'はIIよりアクチベーターにより早く活性化された。またトリプトファンをめぐる微小環境をしらべるため、280nmで励起して、345nmの蛍光強度をしらべるとGlu-plgII'の方がGlu-plgIIより蛍光強度が大であった。即ちGlu-plgII'はGlu-plgIの構造によく似ていた。結論としてGlu-plgIは糖鎖の如何にかかわらず、既に高次構造の変化をうけていることが示された。

  • 研究成果

    (18件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (18件)

  • [文献書誌] 榊原健二: 血液と循環. 2. 12-19 (1988)

  • [文献書誌] 相馬正幸: 副床血液. 29. 694-698 (1988)

  • [文献書誌] 島田逸人: 副 床血液. 29. 807-811 (1988)

  • [文献書誌] 森尚哉: 薬理と治療. 16. 1589-1596 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Thrombosis Research. 49. 193-204 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Thrombosis Research. 49. 253-263 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Haemostasis. 18. 106-112 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Haemostasis. 18. 117-125 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Thrombosis Research. 50. 285-294 (1988)

  • [文献書誌] NISHINO,Nobuhiko: Thrombosis Research. 50. 527-535 (1988)

  • [文献書誌] SUGAWARA,Yoshiaki: Thrombosis Research. 50. 637-646 (1988)

  • [文献書誌] HACHIMOTO,Yutaka: Thrombosis Research. 51. 303-311 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Yumiko: Thrombosis Research. S.VIII. 15-22 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Thrombosis Research. S.VIII. 23-33 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: Haemostasis. 1. 26-31 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: "Haemostasis 18 (Suppl 1)" S.Karger Medical and Scientific Publishers, 25-35 (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: "Fibrinogen 3:Biochemistry,Bilolgical Functions,Gene Regulation and Expression" Elsevier Science Publishers B.V., 395(193-196) (1988)

  • [文献書誌] TAKADA,Akikazu: "Fibrinolysis:Current Prospects" John Libbey and Co.Ltd., 11-18 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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