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1986 年度 実績報告書

骨格筋におけるNa/K能動輸送の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 61570042
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

北里 宏  滋医大, 医学部, 教授 (20079700)

研究分担者 神戸 万里子  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161397)
キーワードNa / K輸送 / Na,K-ATPase / monensin / Chloroquine / ウアベイン / インシュリン / サポニン
研究概要

カエル骨格筋にインシュリンを与えるとNaエフラクスは直ちに増大し始め、約1時間で最大値に達する。インシュリン投与前30分からmonensim(5×【10^(-7)】M)を与えておくと、インシュリンによるNaエフラクスの増大は完全に阻害された。細胞内への受容体の取込みを抑制することが知られているChloroquineはインシュリンの作用に対して何の影響も与えなかった。このことは、インシュリンによるNa輸送促進に細胞内蛋白分子輸送機構が関与していることを示している。この点を更に明らかにするために、筋形質膜ベシクル浮遊液にサポニンを加えてrightside-outのベシクル上のNa,K-ATPaseの活性を顕在化させ、このサポニン処理ベシクルを用いる実験からインシュリンによるNa/K-ATPase活性上昇はインシュリン受容体にインシュリンが結合した後に起る形質膜内の反応のみに依存するものではないことを明らかにした(投稿中)。
次に細胞質の作用を明らかにする実験を行った。ウアベインによって既存のNa/K輸送活性を完全に抑制しておいた筋にインシュリンを与えるとNa/K輸送活性が再び現われる。この新らしく現われた輸送活性によるNaエフラクスと細胞内Na濃度との関係を示す曲線が正常筋に於けるウアベイン感受性Naエフラクス・細胞内Na濃度曲線より明らかに低Nai濃度側に位置していることを明らかにした。これらのことから、インシュリン投与によるNa/K輸送促進は細胞内での反応を介する現象であり、インシュリン投与後に現われるNa/K輸送活性を担うポンプの構造は既に存在しているポンプの構造と多少異なるのではないかと考えられる。
新らしく現われたポンプの構造が既に存在しているポンプの構造と異なることは膜蛋白の老化を示しているのかも知れない。現在細胞質の如何なる物質が新らしい輸送活性の出現に関与しているかを検索中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mariko,Kanbe: Biochem.Biophys.Res.Commun.134. 609-616 (1986)

  • [文献書誌] Yoshinori,Marunaka: Comp.Biochem.Physiol.86A. 331-336 (1987)

  • [文献書誌] Mariko,Kanbe: Biochemical Journal.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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