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1986 年度 実績報告書

Naチャンネルの機能的構造の電気生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570044
研究機関広島大学

研究代表者

瀬山 一正  広島大, 医学部, 教授 (70034006)

研究分担者 焼広 益秀  広島大学, 医学部, 助手 (90166489)
キーワードNaチャンネル / グアニディニウム基 / 不活性化過程 / イカ巨大神経
研究概要

イオンチャンネルはいずれもゲート機構とイオン選択機構とから出来ている。これらの機構は、通常は電位変化によって一連の変化が連続的に誘起されるので独立に調べる事はできない。この実験はNaチャンネルの主要部分を占めるイオン選択機構の性質を薬理学的に独立に調べる事によってこの部の機能的構造を明らかにする事と、ゲート機能との相互作用を明らかにしようとしている。エンドペプチダーゼ(特にα-キモトリプシン)処理後Naチャンネルのゲート機構は欠如するが、グラヤノトキシン(GTX)やバトラコトチシン(BTX)により薬理学的に開くことができる。ゲート機構の消失したNaチャンネルの特性を調べる事によってフィルター部の特性を明らかにする事が研究の第一年度の目的である。研究項目は(1)電流-電圧関係(2)チネティクス(3)イオン選択性(4)グアニジウム基を有するG-cyclamによる人工的不活性化過程の生成機序を予定している。実験は、イカ巨大神経において細胞内潅流法及び膜電位固定法を用いて行なわれた。ゲート機能除去のためのα-キモトリプシンの最適条件決定の検討を試みた。その結果、完全にゲート機構を除去するためには30分から1時間の酵素処理を必要とした。神経はこの状態で不安定化したため、現在色々な酵素との混合によって短時間で効果的にゲート機能を取り除く事を試みている。一方、これとは独立にNaチャンネルの不活性化を人工的に発生させ得るグアニジニウム基を有するG-cyclamの作用機序について検討を行なった。その結果、(1)細胞内面からのみ作用が発現する事(2)電位が上昇すると共に抑制が強くなる事(3)電流量に比例して抑制が大きくなる事が明らかになった。これらの所見は、正常な不活性化過程と大部分の性質が似ている事を考慮するならば、不活性化過程の分子機構の一部としてグアニジニウム基を有する構造が存在する事が示唆される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Seyama,I.Ed.Hiroo,I.et al.: Natural Products and Biological Activities.University of Tokyo Press.101-109 (1986)

  • [文献書誌] Seyama,I.: Biomedical Research. 7,suppl.67-61 (1986)

  • [文献書誌] Seyama,I.: J.Physiol.Soc.Japan.48,(2,3). 183 (1986)

  • [文献書誌] Yamaoka,K.: J.Physiol.Soc.Japan.48,(2,3). 342 (1986)

  • [文献書誌] Yamaoka,K.: Jpn.Heart.J.27,suppl.1. 21-30 (1986)

  • [文献書誌] Satoh,H.: J.Physiol.381. 181-191 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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