研究概要 |
general acyl CoA dehydrogenaseからelectron transfer flavoprotein(ETF)への電子移動の機構の解明を目的として本年度はそれらの酵素の精製を行った。なおETFのアポ蛋白の調整を行ない、アポETFの四次構造について検討した。 1.ブタ腎ミトコンドリアのETFおよびgeneral acyl CoA dehydrogenaseをDEAE-セルロース,ヒドロキシアパタイトおよび分子ふるいゲルカラムを用いて精製した。 2.FADを補酵素とするETFのアポ蛋白が以下の方法で容易に得られることを見出した。(1)2MKBrを含む100mM sodium phosphate baffer pH7.0にホロETFを溶解し、アミコンのセントリフロ-CF-25に入れ、遠心機にかける(3000rpm10分)。この操作を4回行うとほぼ完全にアポ蛋白が得られる。(2)2M KBrを含む100mM sodium phosphato buffer pH7.0で緩衝化したTSKSW-3000のカラムを用いて高速液体クロマトグラフィーによって短時間にアポ蛋白が得られる。 3.ETFは分子量30,000および5,9000のサブユニットからなるヘテロダイマーである。調製したアポ蛋白においてもこのサブユニットは解離することなくダイマーの四次構造を保持していることがゲルろ過法により判明した。 4.アポETFは2MKBrを含む高イオン強度溶液中でもサブユニットに解離しなかった。 5.調製したアポETFはFADと再構成すると元のホロETFと同じ分光学的性質をもつことが明らかになった。
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