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1987 年度 実績報告書

ミトコンドリアの電子伝達フラビン蛋白への電子収束の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 61570049
研究機関熊本大学

研究代表者

二科 安三  熊本大学, 医学部, 助教授 (50112553)

研究分担者 志賀 潔  熊本大学, 医学部, 教授 (40028527)
キーワードフラビン蛋白 / FAD
研究概要

electron transfer flavoprotein(ETF)はgeneral acyl CoA dehydrogenaseをはじめとする数種の還元状態にあるフラビン酵素から電子を受容し, ETF-ubiquinone oxidoreductaseに電子を供与する. その際, ETFのセミキノン型, 完全還元型は重要な成分である. ここでは完全還元型, セミキノン型ETFの性質を明らかにすべく研究した.
1.完全還元型ETFの蛍光---酸化型ETFは遊離のFADに比べて, 蛍光収量が高く, 450nm励起で数倍の蛍光強度を示す. ほとんどのフラビン酵素で蛍光収量が低くなるのと対照的である. 完全還元型ETFは励起スペクトルの極大を370nmにもち, 520nmに蛍光スペクトルの極大を示した. 遊離の完全還元型フラビンは蛍光をださず, フラビン蛋白の還元状態で蛍光をだすものは酸化型において弱い蛍光しかださない蛋白のみといわれていた. ところが, 酸化型で強い蛍光をだすETFが完全還元型でも蛍光をだすことは上記の主張が必ずしも妥当ではないことを示している. 蛍光の消光は活性部位にあるフラビンと蛋白のアミノ酸残基との相互作用にもとづくものであり, 消光機構の研究により活性部位の構造の解析がすすむ.
2.セミキノン型フラビンー--ETFのセミキノンはアニオン型である. このアニオン型ETFの性質を分子振動の情報から研究するため, アニオン型セミキノイドフラビンの共鳴ラマンスペクトルを測定した. ここでは大量に手に入るD-アミノ酸酸化酵素を用いてまず測定した. 1602, 1555, 1516, 1448, 1331, 1292, 1217cm^<-1>に特徴的なバンドが観測された. このスペクトルは酸化型, ニュートラルセミキノイド型, 完全還元型フラビンのものとは明らかに異なっていた. 今後, ETF, の反応中間体の共鳴ラマンスペクトルを測定することにより, ETFの各redox状態の役割が解明できるものと期待される.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y. Nishina: J. Biochem.102. 327-332 (1987)

  • [文献書誌] Y. Nishina: J. Physiol:Sor. Japan. 49. 321-321 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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