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1987 年度 研究成果報告書概要

膵β細胞のグルコース認識機構と細胞内Caイオンの動態

研究課題

研究課題/領域番号 61570055
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生理学一般
研究機関福岡大学

研究代表者

坂本 康二  福岡大学, 医学部, 助教授 (30078761)

研究分担者 浅野 喬  福岡大学, 医学部, 助教授 (00078792)
研究期間 (年度) 1986 – 1987
キーワードマウスΒ細胞 / グルコース誘発活動電位 / Caチャンネル / PN202-791 / カルバコール / Clイオン
研究概要

1,4dihydropyridine系のCa-agonist,PN(S)202-791(5×10^<-8>-10^<-7>M)は, 11.2mMグルコース誘発緩徐電位のプラトウを延長(200〜300%)するが, スパイク電位の振巾には大きな影響を与えなかった. しかしプラトウ延長に伴って, プラトウに重畳した振巾の小さい(数mV)電気活動の発生がみられた. 一方Ca-antagonist,PN(R)202-791(5×10^<-8>-10^<-7>M)の初期効果はプラトウの短縮で, 後効果はスパイク電位発生頻度の減少であった. 高濃度(10^<-6>M)のantagonistはプラトウ短縮と膜の脱分極を同時に起こし, スパイク電位発生を抑制する. この抑制は外向き電流によって除かれる. また正常液中のCa濃度を2.8mMから5.6mMあるいは8.4mMに増大すると, グルコース誘発スパイク電位振巾の増大とプラトウ短縮につづいた膜の再分極が観察された.
カルバコール(10^<-7>-10^<-6>M)は, グルコースで脱分極された膜をさらに脱分極して, グルコース誘発緩徐電位とスパイク電位の発生頻度を増大する. これらの電気活動の頻度増大は膜電位依存性である. また膜の脱分極は一夜絶食させたマウスより摘出したΒ細胞では顕著でなく, 絶食をほどこさなかったΒ細胞で顕著であった. これらの結果は, カルバコールによるCa流入の促進を示唆している. 一方正常液中(2.8mMグルコース)でカルバコールで前処置されたΒ細胞では, 11.2mMグルコース反応が悪るかった. すなわち, グルコースによる膜の脱分極はみられるが, 活動電位発生はみられなかった.
以上の結果より, Β細胞には2種類のCaチャンネルが存在すると思われる. すなわち, 1つはスパイク発生に関係するチャンネルと, 他は緩徐電位のプラトウ発生に関係するチャンネルである. カルバコールは前者に主として作用するが, 他方でイノシトール系とも関係していると推測される. 膜の脱分極とClイオンとの関係については, 今後の研究が必要である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Asano Takashi;Takeda Norio and Sakamoto Yasuzi: ""Best approach to the ideal therapy of diabetes mellitus"" Elsevier, 239-243 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Sakamoto Yasuzi,Imanaga Issei and Matthews,E.K.: "Opposite action of enatiomers of PN 202-791 on Ca channel of the B cell membrane"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Sakamoto Yasuzi,Matthews,E.K.and Asano Takashi: "The effects of Ca-agonist and -antagonist on electrical activity induced by glucose,quinine and tolbutamide in B-cells of pancreatic islets"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] "Best approach to the ideal therapy of diabetes mellitus" Asano Takashi,Takeda Norio and Sakamoto Yasuzi: Elsevier. Preparation of rat pituitary growth hormone and direct effects of growth hormone on insulin secretion, 239-243 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1989-03-30  

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