研究課題/領域番号 |
61570065
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
横田 敏勝 滋医大, 医学部, 教授 (10001752)
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研究分担者 |
小山 なつ 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50135464)
西川 望 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10078595)
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キーワード | 内臓病 / 視床 / 腹側基底核群 / 侵害受容ニューロン / 心臓病 / 腹痛 / 後外側腹側核 |
研究概要 |
われわれは先に視床の後内側腹側核固有部と後外側腹側核とからなる腹側基底核群の尾側被殻領域に特異的侵害受容ニューロンと広作動域ニューロンが分布し、これらのニューロンが皮膚から送られてくる痛みのインパルスを大脳皮質の体性感覚野へ中継することを見出して、これらのニューロンを含む経路が痛覚の主要伝導路をあると提唱した。本研究ではこの経路の内臓痛の伝達における役割を調べた。 1.内臓痛を伝える求心性線維の腹側基底核群への投射 腹腔上部からの痛みを伝える大内臓神経と心臓からの痛みを伝える下心臓神経に含まれる細い線維のインパルスが、腹側基底核郡被殻領域の後外側腹側核部に送られことをネコを用いて証明した。この入力を受けられるニューロンは、すべて皮膚に末梢受容野をもつ侵害受容ニューロンで、特異的侵害受容ニューロンまたは広作動域ニューロンであった。これらのニューロンは痛みを伝えるニューロンと考えられるので、内臓痛もこれらのニューロンによって大脳皮質の体性感覚野に中継されると結論された。 2.皮膚に分布する侵害受容線維のインパルスと内臓からの求心性線維のインパルスの視床腹側基底核群における収束の規則性 大内臓神経刺激に反応した特異的侵害受容ニューロンは、第8頸髄から第3腰髄までの脊髄後根支配領域に末梢受容野をもち、同じ刺激に反応した広作動域ニューロンは少くもその末梢受容野の一部を同じ領域にもっていた。下心臓神経刺激に反応した特異的侵害受容ニューロンは第5頸髄から第13胸髄までの脊髄後根支配領域に末梢受容野をもち、同じ刺激に反応した広作動域ニューロンは末梢受容野の少くも一部を同じ領域にもっていた。大内臓神経刺激と下心臓神経刺激の両方に反応する特異的侵害受容ニューロンと広作動域ニューロンも見出された。
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