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1986 年度 実績報告書

運動ストレスにおける細胞膜からの酵素の逸脱とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 61570082
研究機関旭川医科大学

研究代表者

大野 秀樹  旭川医大, 医学部, 助教授 (00133819)

研究分担者 谷口 直之  大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
キーワード運動 / 細胞膜透過性 / 肝酵素 / 腎酵素 / 血漿酵素 / ミクロゾーム分画 / γ-グルタミルトランスペプチダーゼ / 酵素免疫測定法
研究概要

運動負荷によって種々の酵素が血流中に逸脱してくるメカニズムについてはまだよく知られていない。本研究ではヒトとラットに運動を行わせ、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)の酵素蛋量と活性の両方を測定することにより、運動がミクロゾーム膜透過性に対する影響を検討した。1.ヒトの運動トレーニング実験:男子学生に1回5km以上、6回/週の割合で10週間のランニングを行わせた結果、【Vo_2】maxや12分走能力は有意に上昇した。トレーニング前・後の【Vo_2】maxテストでは血漿γ-GTP活性はいずれも有意に増加したが、ELISAで求めた酵素蛋白量は変動を示さなかった。逆に、トレーニング後の安静値については活性は変化しなかったが、酵素量は著明に減少し、肝細胞のミクロゾーム膜のstabilityの増強あるいは血漿での比活性の上昇が示唆された。一方、肝可溶性分画に多く存在する血漿AST,ALT,LDH,ALP,LAPには【Vo_2】maxテストによるAST,ALP,LAP活性の上昇がトレーニング後ASTは小さく、ALP,LAPは大きくなったが、安静値に対するトレーニング効果はみられなかった。2.ラットの急性運動負荷実験:オスのWistar系ラットについて完全に消耗状態(exhausted)となるまで強制遊永させた。コントロールとともに肝と腎を摘出し、細胞顆粒分画法によってミクロゾームと可溶性分画(S)を分離した。ミクロゾーム分画については等張のショ糖溶液(【M_1】,蒸留水(【M_2】)中で1時間インキュベートしたものと、0.2%TritonX-100処理したもの(【M_3】)についてγ-GTPの各測定を行った。運動後、【M_3】のγ-GTPは活性,酵素量ともに有意に低下し、逆にSでは増加傾向がみられた。Q(in vitroの膜透過性)=【M-2】/【M-1】、P(in vivoの膜透過性)=S/S+【M-3】とそれぞれ定義すると、γ-GTPの活性,酵素量のいずれのQとPも運動後増加の傾向が認められた。以上の結果から、運動が肝細胞のミクロゾーム膜透過性になんらかの影響を与えることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ohno,Hideki: J.Sports Med.Phys.Fit.26. 162-168 (1986)

  • [文献書誌] Ohho,Hideki: Can.J.Physiol.Pharmacol.64. 1263-1265 (1986)

  • [文献書誌] 大野秀樹: 体力研究. 印刷中. (1987)

  • [文献書誌] 大野秀樹: 北方産業衛生. 36. (1987)

  • [文献書誌] 大野秀樹: 第6回腫瘍マーカー研究会記録. 印刷中. (1987)

  • [文献書誌] Ohno,Hideki: Enzyme.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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