研究課題/領域番号 |
61570088
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
御手洗 玄洋 中京大, 体育学部, 教授 (90023639)
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研究分担者 |
菅嶋 康浩 中京大学, 体育学部, 助手
北川 薫 中京大学, 体育学部, 教授 (00012493)
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キーワード | 水浸 / 水中運動 / 神経一筋単位活動 / 筋電図 / 筋の協調性 |
研究概要 |
本研究は以下の2実験を行なった。 1)椅座位の被検者が、最大努力で出来るだけ素早く行なう脚伸展動作時に、主働筋の大腿直筋筋電図は著明なburstとして現われるが、水浸時の同様な動作の場合には、その筋放電がかなり明確な二峰性になった。この特徴は、我々の先行研究によって確認された。が、このパターンが水中動作の慣れによって変化することを仮定し、今回一流水泳選手を被検者として、これについての検討を行なった。その結果、一流水泳選手の場合には、水浸運動時の筋活動様式に、大気中との差が認められなかった。水圧や浮力をうまく利用する筋群の協調動作様式がこの結果をもたらしたものを考えられた。これらを詳細にする為には、神経一筋単位活動の記録解析が有用と考え、本研究費によって購入した微小電極増幅器を用い、その記録を試みた。しかし運動時における基線の動揺などで信頼度の高い記録は未だ得られていないので、引続き今後の課題となっている。 2)次に、水中運動の特徴を明らかにする、より基礎的な問題として、水中浮揚時における四肢の運動準備状態を筋電図学的に研究した。今回はまず、股関節の屈曲を水中で行わせ、これを一定の角度に維持している間の筋群の緊張状態を表面筋電図で記録、これらを大気中で行なったものと比較した。その結果、水中浮揚時には、単に筋活動量が落ちるだけでなく、各筋の活動の割合も異なり、筋の協調様式も変わることが推定された。 これらの研究は、表面筋電図解析によるものであり、当初計画した微小電極による神経一筋単位活動の解析は、安定した記録を得るための検討やその他の予備実験に終始し、十分すすめ得なかった。しかし、一定の記録法を現在確立したので、次年度には十分なデータの蓄積をすすめる所存である。
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