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1986 年度 実績報告書

カルシウム拮抗薬の抗高血圧作用機序の薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570091
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 進  東北大, 薬学部, 教授 (80004604)

研究分担者 草場 美津江  東北大学, 薬学部, 文部技官(教務系) (50175311)
キーワードカルシウム拮抗薬 / ニフエジピン / 腎機能 / 腎血管収縮 / バソプレシン / アンジオテンシン【II】 / 利尿作用
研究概要

本研究は抗高血圧薬としての有用性が注目されているカルシウム拮抗薬の抗高血圧作用機序を、a)血圧の維持ならびに高血圧発症において重要な位置を占める腎機能への影響の解析、b)血管平滑筋における細胞外カルシウムの細胞内移動に最も大きな要因となる生体内昇圧因子への影響の解析、によって検討し、下記の結果を得た。
1.麻酔イヌにおいて、カルシウム拮抗薬ニフェピン(Nif)腎動脈内投与により用量依存的な腎血流量の増大、尿量・尿中NaおよびK排泄量の増加がみられたが、腎糸球体濾過量および尿中浸透圧は変化しなかった(裏面リスト1)。
2.麻酔イヌで、腎動脈内投与したNifによる腎動脈内投与したアンジオテンシン【II】(A【II】)の腎血流量減少反応の抑制は、腎動脈内投与したノルエピネフリンおよび腎交感神経刺激により生じた腎血流量減少反応に対するそれより大きかった。また腎動脈内投与したNifによる腎血流量増大反応は、Nif投与直前の血漿レニン活性、血漿A【II】濃度と正の相関を示した(裏面リスト2)。以上よりNifは利尿作用を有し、その作用は尿細管からの再吸収抑制に起因すること、またNifの抗高血圧作用には、NifによるA【II】の血管抵抗増大作用の抑制も関与していることが示唆された。さらに3.麻酔イヌで、バソプレシン(VP)の腎血流量減少反応、ならびに脊髄穿刺ラットで静脈内投与したVPの昇圧反応はそれぞれNifで抑制された。4.麻酔ラットでNif経口投与により尿量の増加、尿中NaおよびK排泄量増加がみられた。5.内因性VP抑制のためエタノール麻酔したラットにおいて腹腔内投与したVPの抗利尿作用に対する抑制が観察された(投稿準備中)。以上から、Nifの利尿作用には一部内因性VPに対する拮抗作用も関与していると考えられる。内因性VPの腎血管抵抗増大が高血圧の発症・維持に大きく関わる場合には、Nifの降圧作用は一部VPの腎血管収縮反応抑性に起因するかも知れない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 今川純一: Journal of Cardiovascular Pharmacology. 8. 636-640 (1986)

  • [文献書誌] 今川純一: Hypertension. 8. 893-903 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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