心筋の単離培養系の確立が、我々の研究のために必要で今年度はラットの単離心筋を得る準備に使われた。我々が既に行っている肝細胞や脂肪細胞と異なり、特に成熟ラットでは、未だ生存細胞数の割合が低く、また培養を長期行うと線維細胞などが増えてくるので、αないしβ受容体の定量をするのには未だ不充分と考えられた。当該年度で購入した倒立顕徴鏡および画像モニターは細胞機能の観察を行うのには都合が良かったが、今後連続的に拍動数を記録・計測したりするにはさらにそのための装置の開発が必要である。また多くの細胞のデータを単離心筋の一つ一つの細胞の反応からとらえる場合、どの様に処理するかは、心筋細胞の収量が特に多くなった場合問題と思われた。単離脂肪細胞・単離肝細胞ではαないしβ受容体の定量は充分行えたので、今後培養条件の改良が、この研究を推すめる第一前提となる。
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