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1986 年度 実績報告書

甲状腺の抑制性α∋アドレナリン作用におけるイノシトールリン脂質代謝の役割

研究課題

研究課題/領域番号 61570111
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

村木 篁  東京女医大, 医学部, 教授 (50051446)

研究分担者 塚原 富士子  東京女子医科大, 学・薬理学教室, 助手 (40119996)
キーワード【α_1】アドレナリン受容体 / イノシトールリン酸 / マウス甲状腺
研究概要

マウス甲状腺では、ノルエピネフリン(NE)は【α_1】受容体を介して甲状腺ホルモン分泌を抑制する。一方多くの組織で、【α_1】アドレナリン作動薬は、ポリホスホイノシチドを分解してイノシトールリン酸を生成し、細胞内【Ca^(++)】濃度を高めることにより、その興奮作用を発揮すると考えられている。マウス甲状腺における【α_1】の受容体を介する抑制作用が、イノシトールリン酸生成を介するかどうかを知る目的で、【α_1】受容体刺激によりイノシトールリン酸産生が増加するかどうかを検討した。摘出マウス甲状腺を〔【^3H】〕イノシトール(2μCi/ml)と37℃3時間インキュベートし、ついで10mMリチウム存在下で薬物を加え、更に0〜30分間インキュベートし、5%トリクロル酢酸でホモジナイズし、イノシトールリン酸を抽出した。イノシトールリン酸(IP),イノシトール2リン酸(I【P_2】),イノシトール3リン酸(I【P_3】)は、イオン交換カラムクロマトグラフィー(Dowex1×8)で分画し、各分画の放射能を測定した。NE10μM添加により、IP,【IP_2】,【IP_3】共に30分迄ほぼ直線的に放射能が増加し、イノシトールリン酸が産生することを認めた。エピネフリン・メトキサミンはNE同様のイノシトールリン酸産生増加を来したがクロニジン・イソプロテレノールは作用がなかった。10μMNEのイノシトールリン酸産生増加作用は0.1μMプラゾシン添加で拮抗されたが、ヨヒンビン・プロプラノロールでは拮抗できなかった。以上から、アドレナリン作動薬によるマウス甲状腺イノシトールリン酸産生増加は、【α_1】受容体を介して生ずると考えられる。従って、【α_1】受容体を介するNEのマウス甲状腺ホルモン分泌抑制作用は、恐らく、イノシトールリン脂質が分解して生じたイノシトールリン酸をセカンドメッセンジャーとる可能性が強いと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takamura Muraki: Life Sciences.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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