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1986 年度 実績報告書

神経伝達物質としてのATPの関与とその作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 61570114
研究機関福岡大学

研究代表者

桂木 猛  福岡大, 医学部, 助教授 (40004717)

研究分担者 宮本 康嗣  福岡大学, 医学部, 助手 (80182046)
キーワードルミカウンター / Luciferin-luciferase / ATP遊離量 / パルス刺激 / KCl / Ouabain / Monensin
研究概要

近年モルモット精管などでは、ATPおよび関連nucleotideが自律神経電気刺激により、その固有の伝達物質と共に遊離してくることが主に電気生理学的に明らかにされており、神経伝達物質ないし共伝達物質としての可能性が示唆されている。しかし、遊離ATP量を直接測定して、その遊離機序を解析する試みは現在極めて少ない。本研究では、この点を明らかにする目的で、本年度は平滑筋の収縮反応と遊離ATP量の同時測定法の確立を目指した。先ず日音医理科器械KK製lumicounterを購入し、研究目的遂行のため、本機に対し種々の改造を行なった。栄養液を満たしたセル内に直接平滑筋標本を懸垂し、刺激により発生する張力をトランスデューサーにより、また、同時に放出されるATPは、luciferin-luciferaseにより発光させ記録計上に、同時記録させるため、セルケースを含む器機全体を暗箱中に収納した。標本に対するガラスセルの位置,形状およびスリット巾や光電子増倍管と標本との距離の最適条件を設定し、セルと増倍管の間に集光レンズを装着して、ATP測定感度の向上を計った。2本の白金線を刺激電極と標本の支持棒とに兼用し、外部より電気刺激を、また灌流用チューブを取り付け、薬物の注入をそれぞれ行なった。実験は、経壁刺激および高濃度KClによりモルモット精管から放出されるATPの有無を検討した。その結果、10-20Hz,1-3msecのパルス刺激によってかなりのATP放出が認められたが、50mMKClにより放出されるATPは極めて微量であった。またこれと並行して種々の刺激により引起される同標本からnoradrenalineの遊離量をHPLCにより定量した結果、電気刺激および高濃度KClに比し、細胞内【Na^+】増加剤であるouabainとmonensineの同時投与が、noradrenaline放出に極めて有効に作用する事実を見い出したので、ATP遊離に対するこれらの作用についても目下検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takeshi Katsuragi: European J.Pharmacol.121. 119-122 (1986)

  • [文献書誌] Toshiro Harada: J.Pharmacol.Exp.Therap.239. 554-558 (1986)

  • [文献書誌] Sadaharu Usune: Can.J.Physiol.Pharmacol.64. 720-723 (1986)

  • [文献書誌] Takeshi Katsuragi: European J.Pharmacol.133. 329-334 (1987)

  • [文献書誌] Takeshi Katsuragi: Gen.Pharmacol.(1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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