研究概要 |
ラット肝より【Gb_3】Cer合成酵素を分離精製した。精製標品を用いて、UDPを過ヨード酸化して得られたUDP-dialdehydeによるアフィニティーラベリングを行ったところ濃度依存的にUDP-dialdehydeは酵素を阻害した。一方、IDP,IDP-dialdehydeは阻害しなかった。【^3H】-UDP-dialdehydeと精製酵素を反応後、複合物をゲルロ過により分離したところ、大サブユニットに強くとり込まれたことから本酵素の活性部位は大サブユニットにあり、恐らくリジン残基が活性部位に存在することが示唆された。 一方【O(_2^-)】は活性酵素の1つとして発癌過程に重要な役割を果たしている。【O(_2^-)】も不均化するSuperoxidase Dismutase(SOD)は発癌のプロモーションを抑制するとともに、発癌プロモーションに特徴的なオルニチンデカルボキシラーゼの誘導を抑えることが知られている。一方、中性糖脂質合成酵素のうち【Gb_4】Cer,【Gb_5】Cer合成酵素は、ヒトBリンパ球をEBウイルスでトランスホームさせたのち、発癌プロモーターで処理すると活性化される。この活性化は、外からSOD(ヒト赤血球から高度に精製した(Cu-Zn-SOD)を加えると抑制された。このことは糖転移酵素の活性化がTPAなどの発癌プロモーターにより発現されるとともに、【O(_2^-)】ガンの発現に関与していることを示唆している。
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