研究課題/領域番号 |
61570122
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
上田 潔 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60079704)
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研究分担者 |
岡部 英俊 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70079713)
吉岡 邦則 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00192419)
上山 久雄 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30127013)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 核骨格 / 核マトリックス / アクチン / 抗アクチン抗体 / ウェスタンブロット / サルコーマ180細胞 / L5178Y細胞 / cDNA / ファロイジン / サイトカラシン |
研究概要 |
1.酸性アクチンの由来を明らかにするため、抗アクチン抗体を三種用い、各種アクチンとの反応性を調べた。抗消化管型平滑筋アクチン抗体(ポリクローナル)は、γ細胞質、消化管型及び大動脈型平滑筋アクチンとのみ反応し、抗骨格筋アクチン抗血清は骨格筋、心筋及び大動脈型平滑筋アクチンとのみ反応した。モノクローナル抗体はすべてのアクチンと反応した。これらの知見をもとに異常アクチンの由来を調べてみると、マウスサルコーマ180細胞、マウスメラノーマB16細胞、ヒトサイトカラシン抵抗性KB細胞の異常酸性アクチンはすべてβ細胞質アクチン由来であることが示唆された。 2.酸性アクチンがアミノ酸一次配列の変化により生じたものか、翻訳後修飾により生じたものかを区別するため、ポリARNAのin vitro翻訳産物を二次元電気泳動により解析したところ、サルコーマ180細胞の酸性アクチンは固有のmRNAを持つこと、マウスリンパ腫細胞L5178Yの酸性アクチンはおそらく翻訳後修飾産物であることが判った。 3.β、γ及び酸性アクチンの、SDSを用いない分離法として、ハイドロキシアパタイト、クロマトフォーカシング、イオン交換HPLCなどを試みたが成功せず、タンパク面からのアミノ酸配列の変異は検討出来なかった。 4.マウスサルコーマ180細胞のcDNAライブラリーを作成し、完全長のβ、γアクチンcDNAクローンを含む63個のアクチンcDNAクローンを得たが、未だ酸性アクチンcDNAクローンの同定には到っていない。 5.in vitroRNA輸送系をL5178Y細胞核で確立し、ファロイジンの添加効果をみてみたが、無影響であった。 6.サイトカラシンのDNA合成に対する効果を調べると、悪性腫瘍では合成の遷延はあるものの殆ど無影響であり、良性腫瘍、正常細胞では処理前の20%程度にまで合成能が低下した。
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