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1986 年度 実績報告書

カルシウム,不飽和脂肪酸依存性膜結合グアニレートシクラーゼの精製と内在性調節蛋白

研究課題

研究課題/領域番号 61570129
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

麻川 武雄  佐賀医大, 医学部, 教授 (50028362)

研究分担者 高野 正子  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00154807)
榎本 恵一  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20128127)
キーワードグアニレートシクラーゼ / シナプス膜 / 【Ca^(2+)】 / 不飽和脂肪酸 / 調節因子
研究概要

受容体-cyclic GMP連関の機構は不明である。受容体刺激-情報伝達過程で生成される膜内の物質がmediatorとなり、受容体と膜局在グアニレートシクラーゼ活性が連関していると考える。私共は、生理的低濃度の【Ca^(2+)】と不飽和脂肪酸により著明に活性化される【Ca^(2+)】,fatty acid activated guanylate cyclase(略してCF-G.Cyclase)をシナプス膜に発見し、【Ca^(2+)】と不飽和脂肪酸が活性化のmediatorであると考えるに至った。また、上記酵素の活性化調節に関与すると考えられる高分子性調節因子(Guanylate Cyclase Modulator:GCM)を酵素標品より分離した。
1.酵素の可溶化,精製;ラット脳シナプス膜より【Ca^(2+)】と不飽和脂肪酸への依存性を有したままCF-G.Cyclaseを可溶化、精製した。しかし、活性化の性質が不安定のため高度の精製は困難であった。
2.本酵素の種々臓器別分布及び細胞分画別分布を測定した。
3.部分精製した本酵素の活性化における脂肪酸の構造特異性を検討した。その結果、本酵素の活性化には、天然に存在するC16-C20の不飽和脂肪酸のみが有効であり、また不飽和脂肪酸そのもの自身が有効であった。
4.本酵素は可溶化、部分精製により、【Ca^(2+)】による活性化は増加する傾向にある。カルモジュリンの関与は否定的である。
5.本酵素の活性化にはGTPが必須である。部分精製酵素について、GTP及び種々の非水解性のGTP誘導体の効果を測定した。GTP誘導体の効力の強さは本酵素に特異的であり、構造と活性化効力の相関を推測するのは現在困難である。
6.高分子性調節因子(GCM)については、かなり高度に精製する方法を確立した。分子量は37Kと考える。臓器別含量,細胞内分布などを検討した。CF-G.Cyclaseの分布とは一致せず、GCMの機能的役割を考える上で興味がもたれる。またGCMは、酵素の活性化におけるGTPの作用に直接関与する結果は得られなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Enomoto: FEBS Lett.202. 63-68 (1986)

  • [文献書誌] 榎本恵一: 神経化学. 25. 154-156 (1986)

  • [文献書誌] K.Enomoto: Jpn.J.Pharmacol.40sup. 132 (1986)

  • [文献書誌] M.Takano: Jpn.J.Pharmacol.40sup. 267 (1986)

  • [文献書誌] 麻川武雄: 生化学. 58. 1072 (1986)

  • [文献書誌] M.Takano: Jpn.J.Pharmacol.44sup.185 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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