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1986 年度 実績報告書

脂肪酸による好中球Oータ⊆形成促進機構-特にCa∂依存性について-

研究課題

研究課題/領域番号 61570141
研究機関高知医科大学

研究代表者

内海 耕慥  高知医大, 医学部, 教授 (90032862)

研究分担者 沖増 英治  高知医科大学, 医学部, 教務員 (60158821)
キーワード好中球 / 【Ca^(++)】 / 細胞内遊離【Ca^(++)】 / 細胞膜電位 / 【O(^-_2)】形成 / 脂肪酸 / C-キナーゼ
研究概要

研究実験の概要
好中球は種々の脂肪酸刺激により、一連の代謝応答を示す。しかし不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸とではその作用は著しく異なり、特に【Ca^(++)】依存性に著しい差が認められ、刺激の作用秩序については尚不明な点が多い。本研究では好中球の【O_2】形成促進、膜電位変化、細胞内遊離【Ca^(++)】[【Ca^(++)】]濃度変化、ラット脳C-kinaseに対する作用を比較検討した。
1.アラキドン酸,リノレイン酸,リノール酸,オレイン酸等の不飽和脂肪酸は何れも【0(^-_2)】形成促進、膜の脱分極、[【Ca^(++)】]iの増大を示す。これらの作用は【Ca^(++)】によりさらに促進されるが1μMの【Ca^(++)】buffer(EGTA-【Ca^(++)】)により、この促進はさらに著しくなる。
2.ミリスチン酸は好中球【O(^-_2)】形成促進や脱分極応答を誘起するが、これらの作用は【Ca^(++)】で阻害され、[【Ca^(++)】]には全く影響を与えない。しかし、1μM【Ca^(++)】buffer中では[【Ca^(++)】]iに影響することなく【O_2】形成、膜脱分極応答反応のみをより促進する。
3.不飽和脂肪酸は【Ca^(++)】存在下にラット脳C-kinaseを活性化するが、飽和脂肪酸にはその作用がないとされている。しかし、0.1mM以下の【Ca^(++)】存在下には(【10^(-9)】【Ca^(++)】で最高値)ミリスチン酸によっても活性化が認められ、kmは0.1mMで、他の不飽和脂肪酸のそれに近い。
4.発癌プロモーター(TPA)は、好中球[【Ca^(++)】]を変化させることなく【O(^-_2)】形成促進し、走化因子(FMLP)による[【Ca^(++)】]iの増大を阻害し、C-kinaseを活性化する。ミリスチン酸も好中球の[【Ca^(++)】]iを変化させず、【O(^-_2)】形成を促進し、FMLP刺激による好中球[【Ca^(++)】]iの変化を阻害し、C-kinaseを活性化し、TPAに類似する性質を持つと考えられるが、その1/2maxに要求される濃度は0.1mMと極めて高い。以上のことから、脂肪酸による好中球の代謝応答には【Ca^(++)】の要求性があり、C-kinaseの関与も否定できないことを結論した。

研究成果

(3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.M.Morimoto;E.Sato;K.Nobori;R.Takahashi;K.Utsumi: Cell Structure and Function. 11. 143-155 (1986)

  • [文献書誌] E.Sato;K.Edashige;T.Utsumi;B.Inoue;M.Miyahara;K.Utsumi: Physiological Chemistry and Physics and Medical NMR. 18. 79-87 (1986)

  • [文献書誌] M.Yamamoto;Y.M.Morimoto;E.Okimasu;S.Terada;J.Sasaki;K.Utsumi: Cell Structure and Function. 12. (1987)

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公開日: 1988-11-08   更新日: 2016-04-21  

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