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1986 年度 実績報告書

ピルビン酸脱水素酵素(チアミン酵素)の一次構造並に遺伝子構造解析とその病態

研究課題

研究課題/領域番号 61570143
研究機関長崎大学

研究代表者

小池 吉子  長崎大, 医学部, 助教授 (80039619)

研究分担者 浦田 芳重  長崎大学, 医学部, 助手 (30185087)
小池 正彦  長崎大学, 医学部, 教授 (10039521)
キーワードピルビン酸脱水素酵素 / 【α_2】【β_2】構造 / アミノ酸配列 / 攻α,β家兎抗体 / 遺伝子(cDNA) / 塩基配列
研究概要

4M尿素存在化、HPLCを導入したゲルろ過で、ブタ心筋ミトコンドリアの精製ピルビン酸脱水素酵素複合体(E1-E2-E3)を構成三成分に解離し、E2とE1-E3の二画分に分画し、後者からピルビン酸脱水素酵素(E1)をリン酸カルシウムゲル・セルロースカラムクロマトで分離した。【α_2】【β_2】サブユニット構造のE1から両鎖を8M尿素存在化、イオン交換クロマトによる好収量分離法を確立した。過ギ酸酸化した両鎖の【NII_2】(N)-末端アミノ酸から、Edman分解反応を応用した蛋白質一次構造解析装置で順次PTH化し、HPLCの逆相法で分離・同定し、E1αとβ鎖のN-末としてPheとLeuが同定され、更に65残基及び60残基のアミノ酸配列が決定された。E1αとβ鎖のCOOH(C)-末端として、酵素法でIleが同定された。ngのブタE1αとβ鎖を検出できる抗体を用いると、West-ern blotting法でヒト両鎖の検出が可能なことが判明し、当研究室で開発した欠損酵素診断法で、慢性敗血症を伴ったE1欠損症と診断された二症例の組織では、正常の両鎖が消失し、やや分子量が大きく、而も免疫反応の弱い新しい蛋白質を検出し、本症の病因が、E1遺伝子の構造変異に基づいているものと断定した。E1αとβの蛋白質構造を遺伝子レベルで検討のため、生下直後の子ブタ心筋からmRNAを分離し、cDNAを合成し、λgt11発現ベクターに組込み、ライブラリーの作成を試みた。この時点で、HcLa細胞cDNAライブラリーの恵与を受け、E1α-,β-cDNAの発現ハイブリド蛋白質の免疫学的同定法を用い、両cDNAのスクリーニングを行ない、1.3kbpのα-cDNAと400bpのβ-cDNAを選択した。両者をプローブとしてハイブリダイゼーション法で、Okayama博士恵与のpCDライブラリーから、再度両cDNAを選択した。ほぼ完全長と推察される1.8kbpのα-cDNAと1.9kbpのβ-cDNAを選択し、ジデオキシシークエンス法を用いて塩基配列を決定中である。決定後、ブタ酵素の部分一次構造との相同性を比較検討し、全構造を決定する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小池吉子: 生化学. 58. 606 (1986)

  • [文献書誌] 浦田芳重: 長崎医学会雑誌. 61. 41-47 (1986)

  • [文献書誌] Kichiko Koike: Proceeding of Second Meeting on the Function of Thiaminpyrophosphate Enzymes.

  • [文献書誌] 小池正彦: 厚生省神経疾患・遺伝性代謝異常による中枢神経障害の成因と治療に関する研究班・昭和61年度報告書.

  • [文献書誌] 田中恵子: 臨床神経学. 26. 1190-1196 (1986)

  • [文献書誌] Shuichiro Goda: J.Neurol.Neurosurgery and Psychiatry.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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