研究課題/領域番号 |
61570148
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
立石 カヨ子 福岡大, 医学部, 助手 (60179728)
|
研究分担者 |
黒木 政秀 福岡大学, 医学部, 助教授 (40122692)
|
キーワード | 低交差反応性抗体産生クローンの選択 / D-GL / 抗ソマトスタチン28(1-12)抗体 / 抗サブスタンスK特異抗体 / Eck瘻犬の脳内ソマトスタチンの減少 / 脳内ソマトスタチン28(1-12)濃度とソマトスタチン-14濃度の相関 |
研究概要 |
1.ソマトスタチン(S)-28のN端に特異的抗体の作製:種々のS分子型を特異的に認識する抗体を作製する目的のため、本免疫方法を実施する前に、S28(1-12)をハプテンとして用いて得られる抗体の特異性を検討した。m-male-imidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide(MBS)架橋剤として用いてS28(1-12)とkeyhole limpet hemocyanim(KLH)の結合物を作製し、ウサギ2匹に免疫した。2匹で得られた抗体はいづれも、S28(1-12)と特異的に反応し、S28(1-12)のアミノ酸配列を分子内に持つS-28とS28(1-14)とは反応性を示さなかった。この事は、ペプチド分子のある特定の抗原決定基に向った抗体を作製しようとして、その部分を分子全体より切り出して免疫しても、得られた抗体はもとのペプチド分子とは反応しない場合がある事を示した。そのような場合にはD-GLを用いた本免疫法が必要となる。ここで得られた抗S28(1-12)抗血清を用いたRIAとS-28とS-14を同等に測定するRIAを用いて、肝性能症のモデルとしてのEck瘻犬の脳内でのSの変動とその分子型を検討した。Eck瘻犬ではS28(1-12)及びSLI(S-28+S-14)の有意な減少が認められた。又、Eck瘻犬と正犬のS28(1-12)濃度とSLI濃度の間には高い相関が認められた。この事はS28(1-12)とS-14が大脳皮質で同じニューロンに共存する可能性を示した。 2.抗サブスタンスK(SK)特異抗体の作製:本免疫法を実施するために、SKと共通のアミノ酸配列をもつ交差性物質とD-GLの結合物の投与が必要である。交差性物質として比較的安価で手に入るeledoisin-related peptide(ERP)をD-GLとMBS又は種々のbifunctional reagentで結合させようとしたが不可能であった。しかし、同じく共通のC端アミノ酸配列を分子内に持つKassiminはD-GLとMBSを用いて結合可能である事が解った。本年度調製したSK-KLHは免疫原として妥当である事を確認したので、Kassimin-D-GLとの組合せで本免疫法を実施する予定である。
|