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1986 年度 実績報告書

アデノシン受容体のサブタイプの精製とそのシナプス伝達調節作用の神経生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570150
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

黒田 洋一郎  神経科学総研, その他, 研究員 (30073084)

研究分担者 大口 嘉子  (財)東京都神経科学総合研究所, 研究員
小林 和夫  (財)東京都神経科学総合研究所, 研究員
キーワードアデノシン / ATP / 海馬ニューロン / PC-12細胞 / 受容体 / モノクローナル抗体 / カルシウム / シナプス
研究概要

1.PC-12細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体ライブラリーを用いアデノシン受容体に対するモノクローナル抗体を得る目的で、シナプス伝達に変化を生じさせるモノクローナル抗体をスクリーニングした。PC-12細胞に類縁のラット副腎髄質細胞から分化させたシナプス形成細胞を用いたアッセイ系でPCH32-20というモノクローナル抗体のみがシナプス伝達を抑制した。この抗体は実際のラット上頸部神経節内でのシナプス伝達をも抑制した。Western blotにより、この抗原の分子量は約24Kであること、guantal analysisによりシナプス前で神経伝達物質の放出過程を抑制していることが判明した。後者は抗原がシナプス前アデノシン受容体と類似の性質をもっていることを示しており、分子レベルの実体を検討中である。
2.アデノシン・アゴニスト,アデノシン・アンタゴニストを用い、初代培養神経細胞を用いて、細胞内【Ca^(2+)】の動きを観察して、下記の知見を得た。
1)培養海馬神経細胞を比較的長期間保持したときにできるシナプス形成系を用いて、アデノシン,ATP,ADP,AMPをはじめ種々のアデノシン関連物質のシナプス伝達に対する影響を見たところ、アデノシン,ATP,ADP,AMPなど天然アデノシン・アゴニストや2・クロロアデノシンなどの人工アデノシン・アゴニストはシナプス伝達を抑制した。この作用は、シナプス前のアデノシン受容体を介しているものと思われる。
2)いくつかの培養海馬神経細胞はATPの添加によって、細胞内【Ca^(2+)】レベルの一過性の上昇を示した。この作用はテオフィリンなどアデノシン・アンタゴニストは抑制されず、ATP受容体を介する脱分極による電位依存性Caチャンネルを通るカルシウム電流の増加と考えられた。中枢神経系における二種の受容体が示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎: 神経研究の進歩. 30. 634-642 (1986)

  • [文献書誌] Y.Kuroda;A.Ogura;Y.Kudo: Neuroscience Research. in press.

  • [文献書誌] 小林和夫,大口嘉子,黒田洋一郎: 神経化学. 25. 541-543 (1986)

  • [文献書誌] Y.Kuroda: Society for Neuroscience Abstracts. 12. 27 (1986)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎: 医学のあゆみ. 140. 23-27 (1987)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎,小林和夫: 生体の科学. 37. 410-411 (1986)

  • [文献書誌] 宮武正,黒田洋一郎,編: "クロム親和細胞" 科学評論社, 203 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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