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1986 年度 実績報告書

ヌードマウスを用いたGVH病の成因に関する細胞病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570169
研究機関京都大学

研究代表者

栗林 景容  京大, 医学部, 助手 (10064578)

研究分担者 花岡 正男  京都大学, ウィルス研究所, 教授 (30027304)
増田 徹  京都大学, 医学部, 助教授 (00027319)
キーワードGVH病 / ヌードマウス / T細胞サブセット / キメラ
研究概要

我々の実験系でのrecipientである(BALB/c×C57BL/6)【F_1】(CB6【F_1】)ヌードマウスに夫々H-2及びnonH-2のみ異なる、即ち(B10.Thy-1.1×BALB.B)【F_1】、又は(B10・Thy-1.1×B10.D2)【F_1】脾細胞を移入後、脾細胞中のdonorT細胞の消長をThy-1.1markerを指標として追跡した。H-2の異なる組み合せではrecipient脾細胞移入後約1週間を頂値とする脾腫を示すがこの時期にはdonorT細胞の占める比率は約10%前後で低い。GVH病が進行し脾細胞が減少し始める2週以降にdonor由来T細胞は増加するがその絶対数は余り高くなく4×【10^7】/脾以下であり、Lyt-2とL3T4陽性細胞の比率はほぼ一定であった。上記のrecipientがほぼ全例死亡する系とは異なるnon-NHCのみ異なる組み合せでは、細胞移入10〜14日目に脾腫がみられる直前よりdonorT細胞が増加し約50%に達する。このときL3T4陽性細胞はLyt-2陽性細胞の3倍前後になりH-2のみ異なる組み合せとは異なった様相を呈する。以後donorT細胞は相当長期間高値を保ったまま推移するが、この系での死亡率は低い。この組み合せで生存したマウスは健康にみえるが、それらの個体より脾細胞を採取(細胞移入より約6ケ月後)しThy-1.1marker陽性の細胞をみると各個体とも10〜20%の率で検出され、一見キメラ様になっている。現在このようなマウスT細胞の免疫能については充分に検討していないが、もしキメラが成立しているとすれば胸脾を介しないtolerance誘導機序の存在することも考えられ非常に興味深い。
以上の所見はH-2、nonH-2の異なる組み合せで誘導されるGVH反応の成立は異なる機序によることを示唆するものと考えられる。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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