• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

新しい癌遺伝子受容細胞の確立と腫瘍特異抗原の解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 61570180
研究機関札幌医科大学

研究代表者

佐藤 昇志  札幌医科大学, 医学部, 講師 (50158937)

研究分担者 小山田 正人  札幌医科大学, 医学部, 助手 (30183255)
キーワード癌抗原 / 癌遺伝子 / トランスフォーメーション / 単クローン抗体 / NK活性 / 標的分子
研究概要

我々はWKAラット胎児由来の細胞株WFBを確立し, これがagarでは全く細胞分裂を示さず, しかもEJras癌遺伝子を用いたトランスフェクションではBALB3T3等に比し, 高い効率でトランスフォームされることを示した. また, この細胞を利用して, 膿瘍抗原のクローナルレベルでの発現機構を検討した. 細胞のトランスフォーメーションによりはじめて発現されると考えられる膿瘍抗原が, トランスフォーメーションのいかなる過程で発現し, いかなる遺伝支配によっているのか, あるいは, どのような免疫系により有効に認識されるのかについては不明のところが大きい. そこで我々はWFBにEJrasを用いて得たトランスフォーマントクローンW31およびW14に発現される細胞表面上の膿瘍抗原を単クローン抗体の開発により, 解析を行った.
その結果, (1)WFBはそのトランスフォーメーションに伴い, 少なくとも4種類(#109, #061, #081, #067)の異なる抗原分子を強く発現した.
(2)これらの各抗原と, 用いた癌遺伝子(H-ras, C-myc, pplyoma middle T.Adenovirus12型EIA)に関連は認められなかった.
(3)#109はWFBが造腫瘍性を獲得する前段階で強く発現し, またConA刺激T細胞にも同様に発現した.
(4)#067は極めて限られたクローンに特異的に発現した.
(5)#109, #061に対する単クローン抗体はポリICで誘発したラットのNK活性を強く抑制し, これらの抗原分子はNKのtarget struc-tureであることが強く示唆された.
(6)#081はWFBがトランスフォーメーションをおこすことにより発現するcell specificな腫瘍抗原であり, 一方#061はFisher ratの線維芽細胞3Y1のトランスフォーマントにも発現し, tissueあるいはcell type specficは腫瘍抗原であることが示唆された.
(7)今迄の実験では, 各抗原発現の意義, 分子としての機能の一部が判明したのみである. 今後は, それらの詳しい解析と各抗原分子の分子クローニングを検討する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sato, N.: JNCI. 78. 307-310 (1987)

  • [文献書誌] Sato, N.: Cancer Res.47. 3147-3135 (1987)

  • [文献書誌] Yagihashi, A.: Cancer Res.(1988)

  • [文献書誌] Sato, N.: Tumor Res.(1988)

  • [文献書誌] Sato, N.: Gann Monograph. (1988)

  • [文献書誌] Okubo, M.: Jap. J. Cancer Res.(1988)

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi