研究概要 |
マウスをモデルとし,新生仔胸腺を1〜2ヵ月毎に多数回移植する事によりマウスの加令に伴う免疫機能の低下を遅延できる事を明らかにしてきた。 この新生仔胸腺連続移植(MNTG)をC57BL/6,【C_3】H,NZB/W【F_1】の3系統のマウスについて,2ヵ令から2ヵ月毎に行う実験を始めた。対照群としては、新生仔脾臓を移植し、またNZB/W【F_1】については週2回サイモシンα,(10ug)を皮下注する群を作った。 【C_(57)】BL/6はリンパ肉腫が好発し平均寿命は20ヵ月、また【C_3】Hは乳癌が好発する系で平均寿命は13ヵ月であるが,実験開始后まだ1年以内なので実験群と対照群に生存率の上で有意差は見られないが、MNTGを行った実験群の方が良い生存率を示す傾向が見られている。NZB/W【F_1】については、実験開始后8ヵ月令で生存率については各群間に有意差は認められないが、尿中の蛋白量についてはMNTG群で最も高く、この様な自己免疫自然発症マウスでは、胸腺移植による免疫機能回復が自己免疫過程を助長する方向に作用し、蛋白尿が増加するものと思われた。 本研究は3年間の研究であり、ひきつづき、生存率・疾患発生を観察中である。
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